平成25年度は助産学専攻科における「助産技術到達目標」の明確化に向けた最終年である。そこで、過去2年間の助産学OSCE評価を踏まえ、実習前(6月)および修了直前(2月)に4課題の助産学OSCEを2回実施した。また、本学の取り組みの第三者評価を学会報告時に受けた。具体的内容は、次の3点である。 ①妊娠期のOSCEは6月・2月の実施時期により、学修成果がより反映できる課題を精査し、到達目標の設定に結びつける重要性が明らかとなった。また、分娩期OSCEに関しても同様で、2月OSCEでは応用事例への対応に即した到達目標の提示に至った。新生児OSCEでは実施時期を問わず、新生児ケアの基本が学部でも既習済みにもかかわらず、到達度にあまり変化のないことが明らかとなった。 ②学生の自己評価・質問紙調査およびインタビュー調査結果から、学生は助産学OSCEを受験する意義・修了後の活用を意識していることが明らかとなった。 ③本学の助産学OSCEに関する第三者評価は、学会での示説発表時に受ける形を取った。その結果、他大学の助産学専攻科はもとより、教育課程の異なる機関からの助言を受ける機会となった。そこでは、教育課程の違いを超えた助産学OSCEの検討の必要性、助産実践能力の評価、助産学OSCE評価システムの共有など、今後の継続課題が明確となった。 以上、平成25年度の成果を含めた3年間の研究から、一つの「助産学専攻科における客観的臨床能力試験(OSCE)を用いた教育プログラム」の開発に至った。
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