研究課題
助産師取得資格前後の助産師における専門職アイデンティティの発達を促すために、ナラティプアプローチを用いた教育プログラムを開発することを目的とし、平成23年~24年にかけて【研究1】として、新人助産師の印象深い体験が専門職アイデンティティの発達に与える影響を明らかにすることを目的とし、千葉県看護協会主催の新人助産師研修「リフレクション」の参加者のうち、研究参加の同意が得られた入職後7か月の新人助産師33名(平成23年度21名、平成24年度13名)を研究対象に研究に取り組んだ。助産師であることの誇りややりがい、あるいは困難さや課題を感じた最も印象深い出来事の想起によるグループディスカッションの逐語録より、出来事の背景、事例の概要、助産師の言動、他者の関与、関連する出来事を要約して「助産師の体験」とした。また、体験から生じた思いや考えを要約して「体験の認知」とし、「助産師の専門職アイデンティティ」に関連する部分を抽出した。「助産師の体験」を同質性・異質性により分類し、アイデンティティとの関連を記述した。「助産師の体験」のうち、「助産師であることの誇りややりがいを感じた体験」は、助産師の責務やあるべき姿を明確にし、自己の成長を希求するという屑デンティティ発達につながっていた。「助産師であることの困難さや課題を感じた体験」は、助産師の責任の重さや助産師であることの恐怖、自信のなさ、助産師であり続けることへの思いが吐露され、アイデンティティ発達にマイナスに作用していた。新人助産師の専門職アイデンティティの発達を促す体験とは、「一つの事例に継続的にじっくりと関わる体験」、「自己の成長や看護の喜びを実感できる体験」、「先輩助産師のサポートにより、問題解決や成長への糸口が見いだせた失敗した体験」であり、これらの体験を内省し、価値づけられるナラティプアプローチを用いた教育プログラムの必要性が示唆された。
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