研究課題/領域番号 |
23593310
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研究機関 | 長野県看護大学 |
研究代表者 |
清水 嘉子 長野県看護大学, 看護学部, 教授 (80295550)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2016-03-31
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キーワード | 母親 / 健康チェックシート / 育児相談 / 縦断調査 / 開発 |
研究概要 |
平成23年度は5年間にわたる調査研究の初年度に当たり、以下の内容で取り組んだ。すでに継続的に取り組んでいる内容の成果のまとめにも力を入れている。1質問紙による縦断調査 質問紙による縦断研究を進めている。生後3か月の健診で来所した対象者に配布している。700名を予定している。2 チェックシートの開発 1)チェックシートの母親の育児心理状態を査定するため、育児ストレス短縮版尺度8)(Child-care Stress Scale、CSSSとする)および育児幸福感短縮版尺度9)(Child-care Happiness Scale、以下CHSSとする)のデータの基本統計量とα係数を確認し、各下位尺度得点を、パーセンタイルに変換するための個人プロフィール表を作成した。各下位尺度得点のパーセンタイルを算出した。 2)チェックシートの構成 チェックシートは回答後、採点を簡易にできるように構成された。また、CHSS得点とCSSS得点の個人プロフィール表の中には、各下位尺度得点の値が、どれ位のパーセンタイル値に相当するか分かるように配列した。なお、得点の高さの意味的理由より、個人プロフィール表の値は、CHSSは最大値から始まり、CSSSは最小値から始まるようになっている。つまり、上部に個人の得点がプロットされているほど健康的であると解釈できるよう作成した。これらの研究経過については、第13回日赤看護学会で発表予定です。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までのところ、予定している内容は順調に進んでいる。量的調査においては、対象とした市の規模が小さいことから、縦断が完了するにも3年の時間を要し、横断としてデータを分析するにも24年度の秋以降となる。成果の発表はそれ以降となることから、25年度に入ることが予測される。しかし、継続的に行ってきている研究の成果として、雑誌の連載をするなど、空きの時間を有効に活用している。
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今後の研究の推進方策 |
1.チェックシートの活用 母親の認識を尊重するためにも項目に対する相談を深めていくことで育児幸福感を高め、育児ストレスの対応に結びついた相談が可能となる。実際には項目ごとに母親の気持ちを引き出しながら進め、最後にパーセンタイル値を両者で確認する。結果に対する本人の受け止めや高い項目や低い項目に着目しながら進めることが効果的と考える。平成24年度に入り、研究者らによる継続的な家庭訪問での活用の評価を実際に進めており、25年2月に3回目の訪問が終了する予定である。さらに、3か月健診に来所した対象者のデータを分析する。まずは、横断としてのデータ分析とする。1.2のデータを質的、量的に分析し学会報告を行う。併せて、育児幸福感研究の雑誌連載の中で、チェックシートの活用に向けた研究課題について紹介する。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究費の使途計画としては、医学書院出版サービスに、校正の依頼を行う。研究のデータ入力の謝礼、研究協力の謝礼、調査協力の施設へのお礼、学会報告のための翻訳費用など予定している。
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