1.最終年度の活動 最終年度の研究活動は、母親の心のチェックシートを含めた質問紙による縦断調査を継続した。子どもが5歳になるまでを縦断的に追いかけています。28年度も引き続き継続していく予定である。さらに論文を作成した1歳6か月並びに3歳の子どもをもつ母親の育児への自信の2編の論文を作成しました。1編はすでに学会誌に掲載されているが、残り1篇は査読中となっています。また、今までの研究成果を著書にしてまとめ出版しました。 2.4年間の成果として 母親の心理的な健康状態を知るためのチェックシートを作成しました.これは,先行して行われた研究で開発した育児ストレス短縮版尺度とCHS短縮版尺度に基づいた29項目によって構成されています.700名のデータから基準となる値を作成し,1年半にわたる家庭訪問による継続的な相談活動に活用した後に評価をします.育児相談時に相談者(相談を受ける専門職者)が聞き取りながら回答を求めていきます評価得点の高い項目や低い項目に着目しながら母親の気持ちを引き出していきます.最終的には,母親と相談者が各下位項目得点を個人プロフィ―ル表に基づいて確認し,改めて相談を進めていきます.特に基準となる値との比較により評価レベルが下方に位置している場合は,過度な不安とならないよう留意します.研究協力の依頼をして20名の母親から協力が得られました.7名の助産師(保健師の資格を併せ持つ者3名)の資格を有する母性・助産看護学教員が,6か月に1回程度の家庭訪問を3回実施します.その活用の実際や継続的な活用を試みることでの有効性を検討します.評価は活用前と継続的な活用の後に行います.その結果,母親が語っていたこと,相談者が対応したこと,継続的な育児相談の効果について明らかにしました.
|