研究課題/領域番号 |
23593313
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
鎌田 佳奈美 大阪府立大学, 看護学部, 准教授 (30252703)
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研究分担者 |
石原 あや 兵庫医療大学, 看護学部, 准教授 (20290364)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | こども虐待 / ケアのガイドライン / 看護師 / 病院 |
研究概要 |
本研究の目的は、入院している被虐待児に対するケアのガイドラインを作成することである。平成23年度は、被虐待児へのケアのガイドラインを作成するための基礎資料として、被虐待児およびその親のケアニーズを抽出するため、熟練した看護師を対象に面接調査の実施を計画した。被虐待児あるいはその疑いのあるこどもの入院を多く受け入れている病院を選定し、看護部長に研究の趣旨および内容の説明を行い、研究協力の同意を得た。看護部長より推薦していただいた看護師に直接研究の目的、方法、内容および倫理的配慮について説明を行い、研究参加への同意を得た。 小児病棟および心療科病棟(3病棟)でケア経験の豊富な看護師5名を対象に面接調査を実施した。研究参加者は、入院児の8割が被虐待児である心療科病棟と、常に被虐待児およびその疑いのあるこどもが入院している小児病棟の看護師で、小児看護の経験年数は5年から18年まで(平均11年)であった。いずれの看護師も被虐待児やその家族への関心は高く、院内の虐待対策委員会に所属していたり、被虐待児が多く入院する病棟を自ら希望して入職していた。こども虐待に関する研修会や研究会にも積極的に参加をしていた。研究参加者には、被虐待児とその親に対する具体的なケアや、その中で生じてくる困難な体験について自由に語ってもらった。面接調査の中で看護師からは、被虐待児をケアする上で看護師自身の感情が揺さぶられさまざまな混乱が生じること、感情の混乱をどのように受け止め対処したか、また、親とのかかわりでは最初の面接での対応が重要であること、チームとして具体的にどのようにかかわったかなどが語られた。これらのデータを詳細に分析し、入院している被虐待児とその親のケアニーズを抽出する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成23年度は、被虐待児とその親へのケア内容や方法に関する実践知および、彼らをケアする中で生じる看護師の困難な体験を明らかにし、被虐待児のケアニーズおよび看護師の学習ニーズを抽出するため、近畿圏の看護師を対象に面接調査を実施する予定であった。しかし、被虐待児のケアニーズを抽出するためには、さらに被虐待児の入院を多く経験している病棟の看護師の面接調査が必要となった。そのため、近畿圏外へも研究協力を求め参加者を選定することとしたため、研究参加者の選定に時間を要した。 現時点で面接の終了している5名に加え、さらに被虐待児へのケア経験豊富な看護師を対象に面接調査を行う予定であり、当初7~8名の研究参加者を計画していたがそれを上回る予定である。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は、入院している被虐待児とその親をケアするためのガイドラインを作成するため、被虐待児とその親のケアニーズを明らかにすることを目的とする。また、被虐待児をケアするための看護師の学習ニーズを明らかにする。 被虐待児とその親のケアに熟練した看護師を対象に看護師のケアとその反応、およびその中での体験を面接調査より明らかにする。看護師への面接調査で得た実践知から、被虐待児とその親のケアニーズを抽出する。現段階で承諾を得ている4名の熟練した看護師との面接調査を継続し、これまで得ている5名のデータを合わせて詳細なデータ分析を行う予定である。さらに、被虐待児とその親のケアに際する看護師の学習ニーズを抽出するために、被虐待児へのケア経験の浅い看護師数名を対象にケア時の困難な体験について面接調査を行う。その結果をもとに今後予定している質問紙調査の質問項目を抽出する。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究参加者の選定を当初予定していた近畿圏内から圏外に広げたことで、面接にかかる交通費および会議室借料等が必要になることが予想される。また、平成23年度から収集している面接データを順次逐語録にしていく必要があり、十数名分のデータをテープ起こしするための費用が発生する。さらに、看護師の学習ニーズを抽出するために経験の浅い看護師数名への面接調査も予定している。そのため、面接調査にかかわる謝礼、交通等が必要となる。研究成果発表のために学会参加費および旅費の支出を予定している。<次年度研究費使用計画> 物品費500,000円 旅費300,000円 人件費および謝金200,000円 その他419,793円 計1,419,793円
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