本研究ではアジア系在日外国人女性のリプロダクティブヘルスに焦点を当て、彼女らの受療行動の実践とその選択実践を決定づける要因を明らかにする。基礎的文献のデータベース構築と、彼女らの出身国および日本国内における在日外国人女性向けの政策や保健サービスの現状について自治体、関連団体等から情報を収集した。さらに、ネパールやタイからの在日外国人女性とその家族に聞き取り調査を行った。彼女らの受療行動には複合的な決定要因があり、その背景として社会文化的なリスクによる意思決定がされていることが示唆された。また、受療する場合の出身国か日本かの選択においては、多様な人的ネットワークの活用が重要な役割を果たしていた。
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