本研究の目的は、脳外傷性高次脳機能障害者と共に生きる家族が、困難に直面しながら当事者や社会との相互作用の中でどのような体験をしているのかをFamily Hardinessの視点から明らかにし、それを基にした家族教育マニュアルを作成することである。脳外傷性高次脳機能障害者と共に生活している17家族への面接調査から、家族が直面する5つの特有の困難と、家族が生み出すFamily Hardinessの特徴として3つのコアカテゴリーと7つの局面が見出された。これらの知見を基に、家族が長期的な視点をもち、自分たちのエネルギーを保持しながら当事者と共に歩み続けられることを目指した教育マニュアルを作成した。
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