研究の目的は、思春期の小児がん患者とその長期生存者が、自ら弾力性を高めることができる支援のガイドラインを作成し、ケアの基準化とモデル化を行うことであった。具体的には、研究対象者がポートフォリオを使用し、その結果を評価し、評価に基づいたポートフォリオを作成することであった。 具体的内容:ポートフォリオは、自分発見と将来になりたい自分を考えるの2部で構成されている。既存のポートフォリオシートをわかりやすく修正されたものを1部と2部に分けて2日間で実施した。1回目の前と2回目の後に弾力性に関する量的調査、質的調査、半構成的面接で評価を行った。研究代表者が沖縄県と熊本県で調査を平成26年12月まで継続した。その結果、22名のデータが得られた。調査結果は、69%の研究対象者の弾力性がポートフォリオを実施した後に高められていたことである。 意義:思春期の小児がん患者とその長期生存者が、自ら弾力性を高めることができたと思うことで、自分に対して自信がもてたことである。この自信が、将来へ立ち向かう弾力性をより強固なもととなると考える。また、弾力性を高められた患者とそうでない患者とのアセスメントができたことである。 重要性:ポートフォリオは思春期の小児がん患者とその長期生存者が、自ら弾力性を高めることができる支援として効果的であったと考える。弾力性を高められたなかった研究対象者のため、より効果的なポートフォリオを作成する研究に必要性が示唆がされたことに意義がある。
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