研究課題
研究の目的は第2子妊娠中の母親を対象とした第1子理解のための子育てクラスの有効性を検討することである。研究方法はインストラクショナルデザインのADDIEモデルに基づき、子育てクラスプログラムを作成し、第2子妊娠中の母親に対し妊娠期に2回の第2子を迎え入れるための介入を行い、参加した母親を介入群(n=31)、参加しない母親を対象群(n=28)として設定し2群間を比較した。成果変数は「母親が認識している第1子の様子」「第2子誕生後の第1子と第2子の2人同時育児に対する意識」「子ども観尺度」とし、被験者内因子を時期、被験者間因子を介入の有無とする二元配置分散分析を行った。協力者には研究趣旨と方法、研究協力の自由意思、途中中断の権利保証、研究結果公表時の匿名性の厳守について説明し同意を得た。結果「母親が認識している第1子の様子」において介入群に有意に増加した項目は、“第1子は第2子を抱っこするという”(p<0.05)であった。「第2子誕生後の第1子と第2子の2人同時育児に対する意識」において介入群に有意に増加した項目は、“2人同時育児の肯定感”(p<0.05)、“2人同時育児のイメージ化ができている”(p<0.05)、“あかちゃんがえりは時間の経過と共になくなると思う”(p<0.05)であった。本研究における子育てクラスは第1子に対する理解を高め、母親の育児意識に対しポジティブな影響を及ぼした。子育てクラスは、第1子と第2子の2人同時育児の適応を促すための看護介入プログラムとして有効であることが示唆された。本プログラムは、経産婦に特化した看護介入プログラムとして有効である。妊娠期の介入のみならず、出産後の育児期にかけて継続的支援を行うことが2人同時育児適応への更なる強化には必要である。
すべて 2013
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日本母性看護学会誌
巻: vol.13,No.1 ページ: 33-41