研究課題/領域番号 |
23593336
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
香取 洋子 北里大学, 看護学部, 准教授 (90276171)
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キーワード | 母子関係 / 早期接触 / 新生児 / 尺度 |
研究概要 |
「研究目的」早期母子接触場面において母子相互作用が円滑でないケースにおける母子の特徴を明らかにする。 「研究方法」自然分娩にて出産した母子の早期接触場面についてAMISスケールを用いてスコアリングを行い、二者関係項目得点が最低値のケースを抽出し事例分析を行った。 「研究成果」事例Aは母親項目24点、児項目15点、二者関係項目3点であり、【母子ともに感受性が低いタイプ】で、母親は表情が乏しく、言語的アプローチと児への接触行動も少なかった。また、新生児も母親に抱かれている間終始落ち着かず、啼泣状態が続いていたため、相互作用が進まなかった。事例Bは母親項目26点、児項目22点、二者関係項目3点であり、【母親の感受性が低いタイプ】で、母親は児を抱くもほとんど新生児を見ず、話しかけ等も何もせず、母親からの働きかけが非常に少なかった。新生児は接触の間非常に敏活(相互作用に適した覚醒状態)を維持し、周りに対して視覚的関心が高まっていた。事例Cは母親項目33点、児項目17点、二者関係項目3点であり、【母親が過剰刺激タイプ】で、母親は新生児の状態を敏感にとらえているも、新生児にとって強い接触刺激を用い、その一方で視覚的相互作用が乏しかった。児は比較的相互作用に適した覚醒状態を維持するも、母親の接触刺激が強すぎるため新生児のストレス反応を誘発していた。今回の事例分析から、母子相互作用が円滑でない要因として、母親側の要因、新生児側の要因、両者の組み合わせなどパターンがある可能性が示唆され、対象母子ごとにアセスメントし、それぞれに合った介入が必要であることが考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度の研究開始が遅れたため。より研究目的に合った対象を得るため、データ収集をする施設の変更等を検討していたため。
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今後の研究の推進方策 |
研究協力施設の入院患者特性の情報を得ながら、研究のプロトコールを見直し、データ収集に入る予定。
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次年度の研究費の使用計画 |
データ収集に必要な機材の購入。謝礼品の購入、関連テーマの最新情報を得るための学会参加および成果発表。
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