研究課題/領域番号 |
23593344
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
堀金 幸栄 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 講師 (90588857)
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研究分担者 |
高橋 真理 北里大学, 看護学部, 教授 (20216758)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 早産児 / ストレス / 行動評価 / コルチゾール / 心拍変動解析 / 光 |
研究概要 |
本研究の目的は、光環境が早産児に及ぼす影響について、生化学的なストレス指標(唾液コルチゾール)、行動学的ストレス指標(早産児行動評価)、生理学的ストレス指標(心拍変動解析による自律神経活動評価)により総合的に比較し明らかにすることである。 H23年度は本研究に関する国内・国外の研究の動向を文献検索にて把握した。国内文献は「医中誌Web」により検索した。2002年~2012年で「早産児」「光」「ストレス」「行動評価」「コルチゾール」「心拍変動」をキーワードとし、「原著論文」で絞り込みを行った。その結果、「早産児and光」223件、「早産児and 照度」12件、「早産児andストレス」97件、「早産児and 行動評価」16件、「早産児andコルチゾール」32件、「早産児and心拍変動」8件であった。海外文献は「PubMed」および「CINAHL」により検索した。検索期間は2002年から2012年で「preterm infant」「light」「Stress」「Behavioral assessment」「cortisol」「heart rate variability」をキーワードとし、「PubMed」では「Human」で絞り込みを行った。その結果「preterm infant and light」246件、「preterm infant and Stress」827件、「preterm infant and Behavioral assessment」122件、「preterm infant and cortisol」241件、「preterm infant and heart rate variability」75件であった。 文献検索のほか、心拍変動解析の技術的操作方法の訓練や、データ分析のためのSPSS講習会に参加し、統計分析手法を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
大学内での教育業務との両立において、エフォートは研究立案当初20%位を想定していたが、平成23年度のエフォートは5~10%位であったため、研究計画に遅れが出ている。研究遂行のための詳細なプロトコールの再検討に時間を要するため、今後、プロトコールの詳細を早急に決定し、研究倫理審査会への申請を行い、研究を進めていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今年度、研究機関大学の研究倫理審査と研究協力施設の倫理審査会の承認を得て、予備調査ならびにデータの収集を開始する。研究の課題として、対象が早産児であるため介入研究の承認を得ることが難しい場合、研究デザインを再検討する可能性もある。 平成23年度の予備調査結果を踏まえ、早産児のデータ収集時の留意点や調査方法を再検討しデータ収集を開始する。光環境(通常照度と低照度)が早産児に及ぼす影響について、生化学的ストレス指標、行動学的ストレス指標、心拍変動解析によるデータ収集を行う。生化学的ストレス指標としては、唾液を採取し、唾液コルチゾール、コルチゾン、DHEA、クロモグラニンAを液体クロマトグラフィ/タンデム型質量分析(LC-MS/MS)法による分析をあすか製薬メディカルに依頼する。行動学的ストレス指標は、介入群と対照群の光環境下での行動反応をVTRで撮影し、早産児行動評価に基づいて分析を行う。心拍変動解析は通常装着されている心電図を用いて経時的に「心拍数」、「交感神経成分」、「副交感神経成分」の測定を行い、心拍ゆらぎリアルタイム解析ソフトで分析する。早産児の反応に影響する他の要因として看護ケアや環境要因が考えられるため、その影響についても予測しながら観察を行う。看護ケアはおむつ交換、バイタルサイン測定、マウスケアなどの観察、採血、気管内および口腔内吸引などの有無を観察し、アラーム、モニター音、話し声などのバックグラウンドノイズは小野側器高機能積分精密騒音計LA-5560を用いて、児の頭部周辺で測定する。測定したデータの総合的な分析を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
小野側器高機能積分精密騒音計LA-5560の延長ケーブルの購入、時系列データ分析ソフトの購入、データ収集交通費、データ分析研究補助者への人件費、唾液分析代金、学会発表のための交通費と参加費、論文の翻訳代金などを予定している。
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