研究課題/領域番号 |
23593344
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
堀金 幸栄 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 講師 (90588857)
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研究分担者 |
高橋 真理 北里大学, 看護学部, 教授 (20216758)
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キーワード | 早産児 / 行動評価 / 自律神経活動評価 / 光環境 |
研究概要 |
本研究の目的は、光環境が早産児に及ぼす影響について、生化学的なストレス指標(唾液コルチゾール)、行動学的ストレス指標(早産児行動評価)、生理学的ストレス指標(心拍変動解析による自律神経活動評価)により総合的に比較し明らかにすることである。 H24年度は本研究に関する予備調査(プレテスト)を実施した。早産児の生理学的なストレス評価として唾液コルチゾールと唾液クロモグラニンAの2項目分析を予定していたが、Infant Swabを用いた採取法では遠心分離によって唾液を採取することが難しく、直接採取法に切り替えたがそれでも採取量が10マイクロリットルを下回り、分析が困難であった。本研究では分析項目を絞り、採取方法の工夫が課題となった。行動学的ストレス指標を用いた予備調査では、光環境のみならず音環境の影響も受けながら反応していることが分かった。本研究では、光・音環境の影響を含めながら分析していく方法について検討している。生理学的ストレス指標として心拍変動解析による自律神経活動の分析を行った。心拍ゆらぎリアルタイム解析システム(MemCalc/Tarawa)を用いた自律神経系の変化として、保育器内のライトをONにするとLF/HF(交感神経活動)が上昇した。ホールディングなどによる児の状態を安定させるケアを実施するとHF(副交感神経活動)が徐々に優位となるなど、行動の影響を瞬時に表すことが分かった。今後、呼吸数やSpO2の変化など生理学的な変化を含め総合的に分析できるよう、心電図やサチュレーションモニターの経時的データを出力し、総合的に分析できるよう検討していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
唾液採取方法の再検討が必要であることと、研究協力施設において対象となる週数の児が少ないこと、研究者が教育と研究の両立を図る事の困難さがあげられ、エフォートが低い。 データ収集に関して、研究補助者(アルバイト)を活用し研究をすすめていきたい。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度が本研究の最終年度となる。今後、研究補助者の協力を得つつ、分析をすすめていきたい。また、研究協力施設の研究協力者との連携をはかり、研究が遂行できるよう相談しながら、研究の課題を克服していく。
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次年度の研究費の使用計画 |
唾液クロモグラニンAのデータ採取に必要な物品と分析代金、心拍呼吸数の出力の記録用紙、臨床データの保存のためのDVDやUSBの購入、データ収集補助者のアルバイト代金、および交通費に使用する。
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