研究課題/領域番号 |
23593348
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研究機関 | 京都橘大学 |
研究代表者 |
神崎 光子 京都橘大学, 看護学部, 准教授 (40305850)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 国際情報交流 / カナダ |
研究概要 |
本研究プロジェクトは,産褥早期の抑うつや虐待予防の観点から,家族機能を高め育児適応をスムーズにする妊娠期集団保健指導プログラムの在り方に焦点を当てたものである。本研究の目的は,現在の保健指導プログラムの運営方法と担当者の認識の実態を明らかにし、育児期早期(産後1か月時点)の母親の育児困難感を軽減するための妊娠期からの家族機能を高める保健指導プログラムを作成しその効果を検証することである. 平成23年度の主な計画は,家族機能と育児期早期の育児困難感との関連を明らかにし,産後1か月時点の育児困難感を軽減する家族機能の内容を明らかにするとともに産後1か月時点の家族機能と育児困難感を評価する基礎的データを得る。またマタニティクラスの運営の実態と担当者の認識を質的に明らかにすることであった.近畿圏内で出産した母親498名を対象に、産後1か月時点で家族機能(日本語版FFS,神崎2012)および育児困難感(子ども総研式育児支援質問紙)と属性からなる質問紙調査を行った。296名から回答があり(回収率59.4%),現在分析中である.またマタニティクラスを担当している助産師を対象に半構成的面接を行い、妊娠期集団保健指導の実態とプログラムの目的意識、運営方法の工夫、改善点についての意識について調査を行った。現在分析中である。さらに我が国の保健指導の特徴を明らかにするためFamily Centered Maternity Careが定着しているカナダとの比較研究を行うことを予定しており、研究打ち合わせのため、カルガリー大学Karen Benzies博士を訪問し、調査方法について協議を行った.カナダにおける調査は、現地の事情を考慮してSurvey Monkeyを利用して行うこととなった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
産後1か月の褥婦を対象とした調査およびマタニティクラス担当者の質的研究データの分析を本年度中に終了する予定であったが、現時点で終了できておらず、やや遅れていると判断する。原因は、データ収集に予想以上に時間を要したことがあげられる。また、カナダでの調査については、当初予定していた質的研究は現地の倫理審査を受ける必要があり、また調査協力者のリクルートが困難であることから、比較研究は次年度の量的研究での比較研究へと研究方法を変更した.これらのことも進捗を遅らせる要因となったと考える。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、昨年度の調査データから育児困難感を軽減する家族機能を明らかにし,家族機能を高める妊娠期の保健指導プログラム(Fostering Family Program)を作成する.また妊娠期カップルを対象に縦断的な介入を行い,その効果を検討することを予定している. また、日本とカナダにおいてマタニティクラス担当者の認識とクラス運営の実態に関する全国調査を行い,日本のシステムと担当者の認識の特徴を明らかにする.日本においては,質問紙を用いた全国調査を行い,カナダにおいてはインターネット(Survey Monkey)を用いた調査を実施する予定である.また昨年度の研究成果を学会、論文投稿で公表する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度の研究費使用計画として、物品費238000円、旅費656000円、人件費・謝金206000円、その他562000円を予定している。 主な用途は、介入プログラムの運営およびデータ収集のための物品、ビデオカメラの購入、プログラムテキスト作成および印刷費、学会発表旅費、調査打ち合わせ旅費・宿泊費、Survey Monkey 経費、英文翻訳費、調査票作成費、調査郵送費、データ入力人件費等である。
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