研究課題/領域番号 |
23593349
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研究機関 | 明治国際医療大学 |
研究代表者 |
糠塚 亜紀子 明治国際医療大学, 看護学部, 講師 (90361237)
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研究分担者 |
矢野 恵子 明治国際医療大学, 看護学部, 教授 (10174559)
夏山 洋子 明治国際医療大学, 看護学部, 講師 (20335235)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 産科医師不足 / 助産師 / 役割構築過程 / 院内助産 / 助産外来 |
研究概要 |
平成23年度の研究目的は、1.産科医師不在により産科閉鎖となった後、医師不在のまま院内助産所の開設に至った助産師、2.産科医師不在により産科閉鎖となった病院に勤務する助産師、3.近隣病院の産科医師不在により影響を受けた産科医師が常勤する病院に勤務する助産師の役割認識構築過程を明らかにすることであり、1.の助産師9名、3.の助産師6名に対し、半構成的面接にて「産科閉鎖前、閉鎖時、閉鎖後の状況および思いと行動」「助産師外来・院内助産所開設までの過程」などをデータ収集し、1.の助産師について逐語録を分析素材とし、質的帰納的に分析した。データ内容を時系列で配置した結果、「産科閉鎖告知」から「院内助産所最初の分娩」までの12場面を描出した。場面毎にコードを抽出、カテゴリ化した結果、場面1「産科閉鎖告知」では【驚き・戸惑い・直面】、場面2「助産師間の話し合い・意思統一」では【失業の不安と転業の思案】、場面3「管理職との面談と管理職の支持・保障」では【管理職の支持と産科勤務継続による助産師としての意欲保持】、場面4「退職助産師の出現と院内助産所開設の意思決定」では【医師不在を逆手にとり産婦主体の分娩を実現したいという志】、場面5「研修」では【自立して活動する助産師の役割モデルの発見】、場面6「助産師外来開設準備」では【妊娠期看護や異常への不安とケア報酬をもらうことの戸惑い】、場面7「地域の母親たちの要望・支援」では【地域の要望に応え院内助産所を開設することの使命感】、場面9「助産師外来開始」では【対象の生活を考えたケアの提供と外来-病棟-他施設との連携】、場面11「院内助産対象者の妊婦健診開始」では【無理せず医師に診てもらう意識と医師の妊婦健診による安全の保証】などの場面別カテゴリが描出された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究対象である目的2.の助産師が見つからず、データ収集にとりかかれていない。目的1.の助産師のデータが膨大となり、分析に時間がかかり、それに伴い目的3.の助産師の分析に着手できていない。研究対象の抽出とデータ分析に遅れを生じたため、分析に必要なPC、ソフトなどが未購入である。
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今後の研究の推進方策 |
目的2.の助産師について、ネットワークサンプリングに加え、学会などで研究参加協力を呼び掛け、研究対象者の抽出をはかる。データ分析の遅れについては、テープ起こしの業者委託や分析ソフトを活用するとともに、共同研究者に分析の分担協力を依頼して効率化をはかる。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成23年度の未使用額は、PC、メモリ、分析ソフトの購入、テープ起こしの業者委託、目的2.の助産師への研究参加協力依頼や、データ収集のための旅費に充当する。平成24年度研究費予算については、平成24年度の研究目的の4.産科医師不足地域において助産所を開設・勤務している助産師、5.産科医師が常勤している病院に勤務する助産師の役割構築過程を明らかにするための研究協力依頼やデータ収集のための旅費、分析のための業者委託費、研究成果発表のための旅費や諸経費に使用する。
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