研究課題/領域番号 |
23593349
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研究機関 | 明治国際医療大学 |
研究代表者 |
糠塚 亜紀子 明治国際医療大学, 看護学部, 講師 (90361237)
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研究分担者 |
矢野 恵子 明治国際医療大学, 看護学部, 教授 (10174559)
夏山 洋子 明治国際医療大学, 看護学部, 准教授 (20335235)
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キーワード | 産科医師不足地域 / 助産師 / 役割構築過程 / 院内助産 / 助産師外来 / 医師 |
研究概要 |
平成24年度の目的は、1.産科閉鎖後に医師不在のまま院内助産所を開設した助産師、2.産科閉鎖となった病院に勤務する助産師、3.近隣病院の産科医師不在により影響を受けた病院に勤務する助産師の追加データ収集とともに、4.産科医師不足地域において助産所を開設している助産師、5.産科医師が常勤している病院に勤務する助産師のデータ収集後、質的分析をし、助産師の役割認識と役割構築過程を明らかにすることであった。1.の助産師19名、3.は6名、4.は1名、5.は2名のデータが得られ、1.の一部を分析した結果、産科閉鎖後に助産師が助産師外来・院内助産所の開設に至った過程は15場面59カテゴリに集約された。場面1「産科閉鎖告知」では【医師との緊張関係からの解放】、場面2「助産師の話し合い」では【医師に頼っていた内省】、場面3「管理職の支持」では【産科勤務継続による意欲保持】、場面4「院内助産所開設意思決定」では【古い体制から脱却する志】、場面5「混合病棟での看護」では【産科看護以外が分からない情けなさ】、場面6「研修」では【エコー検査の自己研鑽】、場面7「助産師外来開設準備」では【妊娠期看護や異常への不安】、場面8「地域の母親たちの支援」では【院内助産所開設の使命感】、場面9「母乳相談開始」では【処方権がなくてもできることの模索】、場面10「非常勤医師のもと妊娠から分娩の継続看護」では【リスクのない妊婦は助産師が関わる決意】、場面11「近隣病院との産科統合計画」では【分娩殺到の近隣病院助産師の危機感への呼応】、場面12「助産師外来開始」では【助産師の仕事ができる満足感】、場面13「院内助産所開設準備」では【医師不在時の非常事態の想像と学習】場面14「院内助産対象者の妊婦健診開始」では【医師の妊婦健診による安全保証】場面15「院内助産所最初の分娩」では【会陰裂傷の回避】等が描出された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
データ収集について、目的2.の助産師を除き、予定数には満たないものの必要なデータを得られた。データが膨大となり、分析に遅れが生じているが、ほぼ計画通りに研究が遂行できている。
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今後の研究の推進方策 |
データ分析の遅れについて、逐語録作成やデータ整理などの機械的作業は業者やアルバイトを活用し、分析は分析ソフトを活用しながら、共同研究者に分担し、効率化をはかるとともに信頼性妥当性が保たれるよう進めていく。データが得られていない助産師についてネットワークサンプリングを進める。順次1~5の助産師毎に分析を進め、結果を学会にて成果発表をしていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度の未使用額は、データ分析遅れのため未購入であったデータ保存用HDDや研究発表用ソフトなどの購入に充当する。 平成25年度の予算については、追加データ収集のための旅費や謝金、分析を効率化するための業者委託費や人件費、研究成果発表のための旅費、投稿のための諸経費に使用する。
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