本研究の目的は、以下1~3である。1.思春期女子の能動喫煙と受動喫煙が月経周期に伴う関連症状に及ぼす影響を明らかにする。2.中年女性の能動喫煙と受動喫煙が月経周期に伴う関連症状と更年期症状へ及ぼす影響を明らかにする。3.母娘に行う禁煙と防煙に対する予防的保健行動を強化する支援の在り方を構築する。 25年度は、24年度計画から引き続き目的1~2の解明のために母娘を対象に能動喫煙、受動喫煙の暴露状況、月経2周期分の基礎体温計測と月経関連症状の観察を実施し計97組のデータ収集を終了した。さらに母娘の禁煙と防煙を啓発するためのリーフレット「Beautiful women」を作成し能動喫煙と受動喫煙の母娘への健康被害を踏まえた禁煙と防煙に関する健康教育を女子高8校と12組の喫煙中の母娘へ実施した。 能動喫煙・受動喫煙がもたらす思春期女子(娘)の月経周期に関連する症状さらに更年期女性(母親)の月経周期に関連する症状や更年期症状への影響を明らかにし母娘に対する禁煙と防煙支援を実施することは次世代の健康被害を予防し、更年期以降の女性の健康維持に意義がある。学校生活や日常生活に支障をきたし負担となっている思春期女子の月経周期に関連する症状を重症化させるリスク、中年期から更年期に移行する女性の更年期症状への関連を明らかにすることができ、母娘それぞれの女性の健康支援に必要な情報を得ることが可能となった。 母娘の喫煙と防煙に対する予防保健学的行動の知識と実践力について明らかにし予防的保健行動を強化する支援は、母親や父親の喫煙による胎児期からの副流煙の暴露を予防し、母娘の健康維持増進への有用な支援となる。
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