研究課題/領域番号 |
23593355
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研究機関 | 四国大学 |
研究代表者 |
三木 佳子 四国大学, 看護学部, 講師 (60584175)
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研究分担者 |
法橋 尚宏 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (60251229)
前川 厚子 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20314023)
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キーワード | セクシュアリティ / 保健医療 / 尺度 / 概念分析 / 家族支援 / 家族機能 / 家族看護 |
研究概要 |
目的: 本研究の目的は,「わが国の保健医療領域におけるセクシュアリティ満足尺度」と「セクシュアリティと家族機能の関連モデル」を開発することである. 方法:これまで定義が曖昧であった「わが国の保健医療領域のセクシュアリティ」の概念分析を行い操作的定義を開発する。概念分析は、Walker & Avantの手法を用いる。概念分析の過程で、定義属性とその要素、実存性を表す臨床的指示対象を抽出する。抽出された操作的定義、定義属性とその要素、臨床的指示対象から質問項目を検討し、「わが国の保健医療領域におけるセクシュアリティ満足尺度」原案を作成する。次に尺度原案の表面的内容的妥当性を高めるために、一般成人と保健医療者を対象に面接調査を実施する。最後に、IBD(炎症性腸疾患)の患者会の会員を対象に、セクシュアリティ満足尺度と家族機能との関連を検討うるために、セクシュアリティ満足尺度、夫婦関係満足尺度を用いて調査を実施する。調査は郵送法で自記述式調査で行う。調査結果を統計的に分析することで「わが国の保健医療領域におけるセクシュアリティ満足尺度」の信頼性と妥当性を検討する。さらに、家族環境評価尺度との関連を検討し、「セクシュアリティと家族機能の関連モデル」を作成する。 本研究の意義:これまで適宜が曖昧であった「わが国の保健医療領域におけるセクシュアリティ」の定義の開発により、個人のセクシュアリティの説明ができるようになる。尺度の開発は、看護支援前後の個人のセクシュアリティ満足の比較を可能にし、看護支援の効果測定にもつながる。「セクシュアリティと家族機能の関連モデル」は個人と家族支援の示唆を得ることができる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
23年度は、概念分析を行った。概念分析は、医学中央雑誌から抽出した32文献を対象に行い、先行要件、定義属性、帰結と定義属性の要素、臨床的指示対象を抽出した。操作的定義は「個人の性的特性と性的対象者との相互作用」と定義づけた。概念分析から抽出された定義属性、その要素、経験的指示対象を抽出し、この操作的定義と経験的指示対象から「わが国の保健医療領域におけるセクシュアリティ満足尺度」の原案を作成した。 24年度は、「わが国の保健医療領域におけるセクシュアリティ満足尺度」の表面的内容的妥当性を高めるために、四国大学倫理委員会の承認を得て面接調査を実施した。面接調査は、臨床経験5年以上の保健医療者6名、通院加療を行っている成人男女6名を対象に実施した。面接調査結果を比較しながら、「わが国の保健医療領域におけるセクシュアリティ満足尺度」を修正し洗練した。「わが国の保健医療領域におけるセクシュアリティ満足尺度」「セクシュアリティと家族機能の関連の検討」のための調査用紙を作成、四国大学研究倫理委員会の承諾を得た。IBD患者会会代表者に調査を依頼、調査の承諾を得た。調査用紙を印刷し患者会に発送まで終了をしている。
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今後の研究の推進方策 |
IBD患者会より配布した会員からの調査用紙の回収を行う。データが不足する場合は、研究者が所属する学会などの団体、患者会に協力を得てデータの収集に努める。データが充足した時点で、統計的検討を行い、「セクシュアリティ満足尺度の開発」「セクシュアリティと家族機能の関連モデル」を開発する。この尺度とモデルの開発で予定していた研究を終了する。
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次年度の研究費の使用計画 |
1.調査用紙の印刷費、郵送費、郵送作業の人件費 2.国際学会発表旅費、発表用ポスター作製費 3.共同研究者打ち合わせ会参加のための旅費 4.研究協力依頼のための旅費 4.調査結果入力作業の人件費 5.統計解析ソフト
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