研究課題/領域番号 |
23593357
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
田中 佳代 久留米大学, 医学部, 准教授 (10289499)
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研究分担者 |
中嶋 カツヱ 久留米大学, 医学部, 教授 (10279234)
加藤 陽子 久留米大学, 医学部, 講師 (70421302)
永田 真理子 久留米大学, 医学部, 助教 (70586908)
森本 紀巳子 久留米大学, 医学部, 准教授 (80268953)
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キーワード | 糖尿病女性 / 妊娠 / リプロダクティブヘルス / 支援ネットワーク / 双方向性 / 看護職者 |
研究概要 |
本研究は糖尿病女性のリプロダクティブヘルスに関わる双方向性のある支援ネットワークシステムの構築が目的である。本年度は①キーステーションとなる看護職者の育成プログラムの開発②出産経験のある糖尿病女性ピアエデュケーター養成方法の開発③支援ネットワークに必要な資源・ネットワークの検討について実施した。 ①と②については前年度に作成した育成プログラムを実施した。平成25年12月に青森(参加者:1型糖尿病女性5名、母親1名、看護師4名、助産師1名)、平成26年2月に長崎(参加者:1型糖尿病女性6名、夫1名、看護師5名、医師2名)で糖尿病女性・家族と看護職者のためのセミナーを実施した。 事前のセミナーでファシリテーター経験をした糖尿病看護認定看護師が企画者となり、企画・総合司会の役割を担った。実施後アンケートでは、企画ガイドラインを作成し企画者が追加・修正を加えより実際的な内容となりスムーズな企画・運営に繋がっていた。ファシリテーターとの事前打ち合わせの時間確保、広報活動が課題に挙げられた。 長崎のセミナーでは10月に1型糖尿病女性4名で出産・育児に関する座談会を実施し、その中から出産体験を語る者を抽出したことで、セミナーではより効果的なピアサポートに繋がった。実施後アンケートでは、体験談を語った経験が自身の療養生活やピアサポートへの意欲向上に繋がっていた。セミナーを通じた①と②の取り組みで看護職者と患者双方のネットワークが形成されており、支援ネットワークの拠点づくりが行えた。 ③は、研究会として組織を立ち上げ運営費確保、ホームページを開設し社会へ情報提供を行うことを研究協力者と討議した。平成26年3月に糖尿病関連の情報提供や糖尿病妊娠学会等の糖尿病関連学会の事務局やホームページをサポートしている創新社の事業開発者と討議を行い、ホームページの果たす役割や情報提供のあり方等の示唆を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の最終目的である糖尿病女性のリプロダクティブヘルスに関わる双方向性のある支援ネットワークシステムの構築に向けて、各地で支援のキーステーションとなる看護者、ピアエデュケーターとなる出産経験のある糖尿病女性の育成を重要課題として挙げているが、その育成の方法について検証を踏まえて実施できている。 また、平成25年度は支援ネットワークに必要な資源・ネットワークの検討についても行え、その後の実際についても方向性が見えており、おおむね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度の取り組み・結果を踏まえ、今年度中に研究会の設立に向けた検討を研究協力者らと共に行うことが予定されている。また、ホームページ作成についても順調に進んでおり、今年度中の開設を予定している。関連学会への連携についても研究協力者をつうじて、その可能性も検討できている。 平成26年度もセミナーの実施を予定しており、現在、東北・関東・中部・関西・九州地区で拠点づくりが行えているが、これに加えて四国地方として平成27年2月に高知での開催を予定している。また、久留米・佐賀地区の連携を強めるため11月に久留米での開催を予定しており、全国各地でのネットワーク構築の足掛かりとする。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額が余剰したのは、2回のセミナー実施で旅費がかかったため購入予定の消耗品等を削り対応したが、結果的に25606円の余剰金となった。 平成26年度はネットワーク組織の試案を研究協力者と作成し、ホームページを開設する。試案検討・ホームページ検討のための旅費、ホームページ開設の諸費用として、余剰金は今年度の当初予算額に含めて使用する。 また、支援ネットワークシステム構築のための地域で拠点づくりの一環となるセミナー開催のための会場費・旅費・謝金にも使用する。今年度は11月に久留米、平成27年2月に高知で開催予定である。
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