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2011 年度 実施状況報告書

バイオマーカーを指標とした妊娠期・授乳期の長期的禁煙支援プログラムの開発と検証

研究課題

研究課題/領域番号 23593359
研究機関福岡大学

研究代表者

塚原 ひとみ  福岡大学, 医学部, 准教授 (20555403)

研究分担者 中嶋 恵美子  福岡大学, 医学部, 准教授 (30461536)
佐久間 良子  福岡大学, 医学部, 講師 (80554758)
嶋松 陽子  福岡大学, 医学部, 教授 (80270099)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード禁煙 / 喫煙 / 妊産婦 / 酸化ストレス物質
研究概要

妊産婦へのバイオマーカーを指標とした新規長期的禁煙支援プログラム開発のために、28症例の禁煙外来受診者を対象に禁煙成功例と不成功例の禁煙開始時・2週・4周・8週・12週のデータの分析を行った。不安尺度STAIの結果では、12週時では、成功者・不成功者の差はない。しかし、24週時の喫煙者において禁煙開始時の状態不安が高かったP=0.041、6.8(95%CI:0.950~48.692)。禁煙効果の実感16項目・ニコチン離脱症状の比較では、全ての項目で差はなかった。開始時と12・24週後の呼気中CO濃度では、不成功群でCO濃度が有意に高かった(12週:P<0.001,P<0.005、24週:P<0.05、P<0.01)。喫煙開始年齢、ブリンクマン指数では差がないが、1日の喫煙本数で差があり、不成功群の喫煙本数が多かった(12週:P<0.01、24週:P<0.005)。酸化ストレス分析である尿中8-isoprestaneと尿中8-OHdGの禁煙開始時の測定値は、不成功群が有意に高かった(P<0.05、P<0.05)。以上の結果より、禁煙不成功者は、禁煙開始時の不安が高い傾向にあり、喫煙開始年齢や喫煙年数より、1日の喫煙本数が多い特徴がある。このことは、禁煙開始時の呼気中CO濃度も高いことと一致する。さらに、喫煙に伴う酸化ストレス物質である尿中8-isoprestaneと尿中8-OHdGと禁煙の成功との関連が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

23年度に計画した禁煙外来での禁煙成功・不成功事例の分析を禁煙治療開始後から12週間までを経時的に、(1)ストレス状況(SCL・STAI)の推移、(2)禁煙効果の実感の推移、(3)ニコチン離脱症状(ミネソタ式ニコチン禁断症状調査票)の推移、(4)血液中精密酸化脂質の推移について分析し、禁煙成功者・不成功者に関連する要因の検討を終了した。

今後の研究の推進方策

禁煙外来での禁煙成功・不成功事例の分析結果を喫煙状況との関連で分析し、易禁煙群と禁煙抵抗群におけるデータの解析を継続する。妊娠期から授乳期の女性を対象とした禁煙支援には、対象の禁煙しようとする認識を喚起し、喫煙の害を表現する各種バイオマーカーを指標とし、それらを提示することにより、禁煙をより長期的に継続できるような禁煙支援プログラムの開発が必要である。今回は、妊産婦の禁煙支援の基礎資料とするために、妊産婦の能動・受動喫煙に伴う母体・臍帯血のコチニンと精密酸化脂質物質の変動を明らかにするための臨床研究計画書を作成し調査を実施する。調査内容は、分娩前後の妊産婦の血液・尿、分娩直後の臍帯血を採取し、妊産婦のニコチン・ニコチン代謝産物(cotinine,3-Hydroxycotinine)の臍帯血中濃度測定、血液及び尿中精密酸化脂質測定する。さらに、妊産婦の背景、喫煙・禁煙状況調査、呼気中一酸化炭素濃度、ストレス対処行動(SCL、STAI)の変化、ストレス度の対処行動の変化についても計時的に測定する。ストレス対処喫煙者・禁煙者・非喫煙者、周囲・家族の喫煙の有無との関連で分析し、喫煙防止のための禁煙支援を考察する。

次年度の研究費の使用計画

臨床研究計画書に基づき、妊産婦を対象としたニコチン・ニコチン代謝産物の調査分析の為の消耗品費、質量分析装置カラム、酸化ストレス分析および印刷費等に使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 禁煙補助薬バレニクリンとニコチンパチ比較試験における胃腸障害・禁煙効果の実感と体重増加との関連2011

    • 著者名/発表者名
      塚原ひとみ  中嶋恵美子 佐久間良子 嶋松陽子
    • 学会等名
      第31回日本看護科学学会
    • 発表場所
      高知
    • 年月日
      2011年12月3日

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公開日: 2013-07-10  

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