研究課題/領域番号 |
23593359
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
塚原 ひとみ 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 教授 (20555403)
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研究分担者 |
中嶋 恵美子 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 教授 (30461536)
佐久間 良子 福岡大学, 医学部, 准教授 (80554758)
嶋松 陽子 活水女子大学, 看護学部, 教授 (80270099) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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キーワード | 禁煙 / 喫煙 / 妊産婦 / コチニン / バイオマーカー |
研究実績の概要 |
本研究は、20~30歳代日本人女性の喫煙率が上昇傾向にあることに注目したものであり、この年代の女性への禁煙支援は、次世代を育むためにも重要な取り組みである。妊娠中に継続した喫煙は、低出生体重児、早産、周産期死亡など母子に多くの影響を及ぼす。喫煙女性にとって、妊娠を禁煙の機会とらえ、中長期的な禁煙を確実に実施しようとする行動変容を促す支援が必要である。そこで、喫煙の害を表現する各種バイオマーカーを指標とし、それを提示する新規長期的禁煙支援プログラムを開発することを目的として実施した。 平成26年度は、平成25年度に実施した臨床研究「母体の能動・受動喫煙によるコチニンの探索試験」の結果について具体的に分析した。分娩前後の妊産婦の血液・尿、分娩直後の臍帯血中のコチニン濃度と呼気中一酸化炭素濃度、具体的な能動・受動喫煙状況、妊娠分娩産褥期の状況との関連で結果を分析し、妊娠期から1か月検診までのバイオマーカーを用いた禁煙支援プログラム教材を試案した。 喫煙からの経過時間、喫煙本数が同程度であっても母体血中のコチニン濃度、尿中濃度には個人差があり、個人の代謝時間の差などの影響も考えられる。臍帯血中のコチニンは、7.1時間、10時間前の喫煙で検出され、分娩後の血中コチニンは、22時間、36時間前の喫煙で検出された。妊娠中から1ヶ月健診までに得られたバイオマーカーと喫煙からの経過、喫煙本数、家族周囲の喫煙状況の変化、分娩や新生児の状況を、症例ごとに詳細に示す禁煙支援教材を活用することが重要である。そこで、喫煙者5名について、喫煙からの経過時間別の血中・尿中コチニン濃度と呼気中CO濃度の測定値の個人差が大きいことを示す個別バイオマーカー指標を作成した。 本研究で作成したバイオマーカー指標を用いて、妊娠初期からの集団指導、あるいは喫煙者の個別指導に活用しその成果を検証することが今後の課題である。
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