研究課題/領域番号 |
23593367
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研究機関 | 千葉県立保健医療大学 |
研究代表者 |
佐藤 紀子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 教授 (80283555)
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研究分担者 |
大光 房枝 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 准教授 (00555287)
丸谷 美紀 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 准教授 (50442075)
雨宮 有子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 講師 (30279624)
細谷 紀子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 講師 (60334182)
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キーワード | 介護予防 / 高齢者 / エンパワメント |
研究概要 |
本研究の目的は、高齢者が住み慣れた地域で自分らしく生活していくための力となるエンパワメントを促す介護予防プログラムの開発を目指すことである。 平成23年度は、研究1の第1段階調査である質問紙調査(市町村の介護予防事業プログラム担当者を調査対象者とし、二次予防事業対象者向け通所型介護予防事業プログラムにおいて「エンパワメントを意識した働きかけ(19項目)」と、「高齢者のエンパワメントの評価視点(23項目)」について、介護予防プログラムに組み込まれ方と重要性の認識を調査)を実施した。平成24年度は、それを踏まえ、第2段階調査として、具体的な内容の聞き取り調査を実施した。結果の概要は次のとおりである。【調査対象】研究協力の同意が得られた16自治体、【調査結果】1.エンパワメントを意識した働きかけ:<介護予防の必要性に関する働きかけ><アクセスなどへの配慮>は、いずれの自治体も力を入れており、それぞれに工夫していることがわかった。その一方で<参加者の能力を活かす機会><プログラムのなかでの参加者の役割><仲間づくりへの働きかけ><プログラム終了後の継続した取り組みへの働きかけ>はできていない自治体が多く、これらに対して重要性を感じてはいるが、労力がない、体制的に困難、課題と認識している担当者が多くみられた。2.エンパワメントの評価視点:エンパワメントの変化を、服装や装いの変化で捉えている自治体が多いことがわかった。具体的な指標をもっているところは少なく、担当者が主観的に捉えている現状が明らかになった。 上記の結果を踏まえ、高齢者のエンパワメントを促す介護予防プログラムの試案としてエンパワメントを促す支援指針および評価指標を作成した。今後は、試案を自治体で実際に活用した介護予防プログラムを実施してもらい、その有用性、妥当性、実用性を検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成24年度は、【研究1】の第2段階の聞き取り調査の分析およびそれを踏まえたプログラム試案の作成に時間を要してしまった。そのため、24年度から取りかかる予定であった【研究2】(複数の自治体でプログラム試案を活用した介護予防プログラムを実施してもらい、プログラムの有用性、妥当性、実用性を検討する)は、平成25年度から実施することとなった。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は、5月中に【研究2】の調査フィールドとなる自治体を2~3選定し、作成した高齢者のエンパワメントを促す支援指針・評価指標を用いて介護予防プログラムを実施してもらう。そして、プログラムに携わった実践者から、支援指針・評価指標の有用性、妥当性、実用性の観点から意見聴取を行い、実用化にむけて検証する。 さらに、10月頃を目途に【研究2】の研究協力自治体以外の介護予防プログラムの企画・実施・評価に携わっている主担当者5名程度を選定し、作成した指針、評価指標について意見聴取をする【研究3】。 【研究2】【研究3】の結果を踏まえて、作成した指針・評価指標を精錬させる。 なお、【研究2】及び【研究3】の実施にあたっての倫理審査は、研究代表者が所属する大学の倫理審査委員会において承認を受けている。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究に関わる図書購入費、調査および打ち合わせのための旅費、データ整理のための関連文具購入費、テープ起こし(業者委託)、データ整理・プログラム準備・文献整理などのための研究補助者への謝金、プログラムで使用するリーフレットおよび報告書の印刷費等【研究2】【研究3】に必要な研究費として使用する。
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