研究課題/領域番号 |
23593367
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研究機関 | 千葉県立保健医療大学 |
研究代表者 |
佐藤 紀子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 教授 (80283555)
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研究分担者 |
大光 房枝 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 准教授 (00555287)
丸谷 美紀 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 准教授 (50442075)
雨宮 有子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 講師 (30279624)
細谷 紀子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 講師 (60334182)
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キーワード | 高齢者のエンパワメント / 介護予防プログラム / 支援指針 / 評価指標 |
研究概要 |
本研究の目的は、高齢者が住み慣れた地域で自分らしく生活してくための力となるエンパワメントを促す介護予防プログラムを開発することである。 まず、初年度は介護予防事業における高齢者のエンパワメント支援の実態を明らかにした。先行研究を踏まえて高齢者のエンパワメントを促す働きかけ19項目と、高齢者のエンパワメントを捉える指標23項目を作成し、どの程度現在のプログラムのなかに位置付けて実施しているか、また評価としてエンパワメントの変化を捉えているかを4段階で回答してもらった。その結果を踏まえて、7大項目21小項目からなる「介護予防事業における高齢者のエンパワメント支援指針」(以下指針)を作成した。2年目には、研究者らのネットワークサンプリングを用いて、二次予防対象者向け通所型介護予防事業実施施設に研究協力を依頼し、本指針と先行研究で開発した評価指標を活用したプログラムを3か月間実施してもらった。最終年度では、プログラムを実施した従事者の認識・行動の変化および参加高齢者のエンパワメントの状況の変化を分析することによって、指針の有効性を検討した。 その結果、指針活用によって、《高齢者の考えや生活の実態を捉える重要性への気づき》や《二次予防対象者の能力発揮の観点からの実践の見直し》、《エンパワメントと関連づけた他者との交流の意味づけ》といった従事者の認識・行動の変化をもたらすことがわかり、高齢者のエンパワメント支援に有効であることが確認できた。また、エンパワメントを捉える評価指標は、従来の生活機能チェックリストや主観的健康観では捉えられない、エンパワメントの促進や後退がみえることが明らかになり指針と評価指標を活用したプログラムの意義が確認できた。しかし、評価指標を数値化した場合の解釈の仕方や活用方法についてはさらに検討が必要と考えれた。
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