研究課題/領域番号 |
23593375
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
大西 美智恵 香川大学, 医学部, 教授 (30223895)
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キーワード | 小離島 / QOL / 介入研究 |
研究概要 |
過疎化・高齢化が進んだ小離島では、これまでの研究から、島民のQOL維持の面からも、機能しなくなりつつある島民同士の相互扶助を補完する新しい相互扶助の必要性が示唆されている。 そこで、本研究では、島民と大学生が協働して3つのプログラムを実践することによって、「楽しく老いる島づくり」の実践モデル構築と島民のQOLに与えた影響を明らかにすることを目的とした。 3年目の本年は、昨年作成したパネル(島民に古い写真を借り受けるとともに、学生が当時のエピソードを聞き取り作成したもの)を学生とともに写っている場所に取り付けた。また、パネルを取り付けた場所の地図を描いたちらしを400部作成して、島の交流館やコミュニテイセンターに置き、観光客が地図を見ながらパネルを見て回るという企画を立てた。この企画が観光客に好評を得て、市の広報誌にも掲載された。学会においても3年間継続して活動を報告している。 次年度は、本研究のプログラムのひとつでもあるサロンづくりが、コミュニティ協議会を中心として計画されている。学生も参画できるよう活動を展開する予定である。 また、これらの活動が島民のQOLの変化に影響を与えたかの評価を、学生の全戸訪問の聞き取りにより調査する予定である。 研究フィールドである小離島に、新しい住民が転居して、休校中であった小中学校が再開した。これまでになく、島内は活気にあふれており、将来を見据えて様々な事柄に取り組んでいこうとする機運が見られる。今後、学生たちもその一翼を担えるシステムを考案したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成25年度に、香川県の瀬戸内海にある島々を会場として「瀬戸内国際芸術際」が開かれた。研究フィールドである小離島も会場となったため、多くの観光客が訪れ、日常とは異なる島の生活となった。そのため、研究の進捗が遅れ、1年間の研究延長をすることになった。
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今後の研究の推進方策 |
今年度はサロンづくりが、コミュニティ協議会を中心として計画されている。学生も参画できるよう活動を展開する予定である。 また、3年間の活動が島民のQOLの変化に影響を与えたかの評価を、学生の全戸訪問の聞き取りにより調査する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度が最終年の予定であったが、研究フィールドが瀬戸内国際芸術際の会場となった。多くの観光客が訪れ、島民も日頃の生活パターンにはない芸術際行事に参加する事が多かった。そのため、研究の進捗に遅れが出て、1年間の研究延期を申請した。 最終年であるため、下記の通り、研究のまとめと評価をするための費用および、今後に活動に向けての情報収集のための費用に支出する。 ①学生が全戸訪問しての調査費用として宿泊代金・旅費 ②学会で研究成果を発表するための旅費 ③他の小離島の活動視察のための旅費 ④学生が島を訪れ、サロンづくりに参画するための旅費 ⑤調査データの分析指導としてのスーパーバイダーへの謝金
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