研究課題/領域番号 |
23593379
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
志賀 たずよ 大分大学, 医学部, 准教授 (90305847)
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研究分担者 |
井手 知恵子 大分大学, 医学部, 教授 (00232421)
後藤 奈穂 大分大学, 医学部, 助教 (30582811)
原田 千鶴 大分大学, 医学部, 教授 (80248971)
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キーワード | 地域保健福祉分野 / リスク / リスクマネジメント / 看護職 / 地域包括支援センター / 保健所 / 市町村 |
研究概要 |
地域保健福祉分野で働く看護職が対人サービスにおいて遭遇する具体的なリスクとそれに対応するリスクマネジメントの実態を調査し、以下の知見を得た。 ①『対象者への感染』『看護職自身と家族への感染』のリスクに対しては、個々人が感染防御の対策をとることや、職場内で感染情報を共有しスタッフはもちろん対象者への教育活用を促進していた。また、組織的なマネジメントとして感染予防教育や指導、健康診断や予防接種が行われており、感染事案では関連病院でフォローしたり労働災害を適応したりして対処していた。しかし、緊急対応時の感染防御やスタッフの感染に関する意識向上の対策は不充分な状況であった。②『対象者との信頼関係』のリスクでは、対象者への援助を通して個々人で対策を取っており、困難事例には上司のフォローや対応者の交代、事例検討会で共有等職場内でマネジメントしていた。業務として外部研修へ参加する施設もあったが、組織内研修や教育が行われているところは少数であった。③『暴行など危険行為の可能性がある対象者への対応』のリスクでは、男性職員と複数で対応する、関係機関とチームで対応する、警察や消防の協力を得るなど組織内に留まらず地域の関連職種・機関と協働体制をつくるマネジメントをしていた。④『情報管理』のリスクに対しては、職場内環境と情報管理システムによって組織的にマネジメントしていた。また、組織内外で研修や指導が行われていた。 情報管理、傷害保険、予防接種等に関しては組織的にリスクマネジメントされていたが、その他のリスクでは個人がそれぞれ気を付ける、職場で注意喚起、事例毎に対処する事が多い現状であった。また、対象者のリスク特性に対しては、対象者と看護者に起こりうるリスクを予見しリスク回避しながら看護援助を展開しており、看護職個々人・職場・組織に留まらず地域ネットワークの中でリスクをマネジメントしていた。
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