研究課題/領域番号 |
23593385
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
斉藤 恵美子 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 教授 (90251230)
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研究分担者 |
高橋 和子 宮城大学, 看護学部, 教授 (00315574)
安村 誠司 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (50220158)
呉 珠響 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 助教 (80511401)
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キーワード | 高齢者 / 要介護認定 / 社会的支援 / 家族構成 |
研究概要 |
地域高齢者の社会的支援と要介護状態発生状況との関連について、家族構成別に明らかにすることを目的として、追跡観察中の地域高齢者コホートのデータを解析した。2004年と2005年に健康診断を実施し、2011年3月まで追跡した地域高齢者1084人を対象として、社会的支援と要介護認定の関連について家族構成別に分析した。社会的支援は同居家族以外からの手段的支援4項目、情緒的支援4項目、合計8項目とし、4項目全ての支援がない人を支援なしとして2群に分類した。家族構成は、三世代同居、子どものみと同居、夫婦のみ、一人暮らしの4区分とした。要介護状態の発生割合は、三世代同居の高齢者20.4%、子どものみと同居の高齢者28.7%、夫婦のみ世帯高齢者14.5%、一人暮らし高齢者27.8%であった。年齢と性別を調整したコックス回帰分析の結果、夫婦のみ同居の高齢者で、情緒的支援(支援なし=1/支援あり=0)のリスク比は3.2(95%信頼区間1.03-9.97)であった。その他の家族構成では統計的な有意差はなかった。この結果から、夫婦のみの高齢者世帯については、同居家族以外からの情緒的支援がないことが、将来の要介護認定発生に関連することが示唆された。 次に、支援を必要とする高齢者の実態を検討するために、地域包括支援センター(以下センター)看護職を対象とした質問紙調査データの二次分析を行った。都市部に所在するセンター看護職104人が把握している孤立傾向にある高齢者461人の状態は、生活機能の低下(52.7%)、認知機能の低下(44.5%)、身体機能の低下(40.8%)などであった。また、家族構成としては一人暮らしの対象が最も多かった。以上のことから、高齢者の社会関係を構築するために、身体・精神機能の評価とともに、家族構成を考慮した支援が必要であることが示唆された。
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