研究課題/領域番号 |
23593388
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研究機関 | 岐阜県立看護大学 |
研究代表者 |
松下 光子 岐阜県立看護大学, 看護学部, 教授 (60326113)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 保健師活動 / 評価方法 / 看護学 |
研究概要 |
1.A県内42市町村の保健師を対象に、行政評価および保健師活動評価への取り組み実態を把握する郵送質問紙調査を実施した。有効回答は30件であった。行政評価を実施している19件からの回答において、行政評価と保健活動・保健師活動のまとめや評価は業務の改善など目的が共有するものであり、関連付ける必要があるとの回答が16件であった。保健師活動評価を行う際に意識していることは、成果評価、各種計画との連動が各21件、事業や活動の目的に照らした評価17件、地域のヘルスケアニーズに基づく活動になるように見直す16件であった。結果から、活動評価方法として検討すべき事項として、行政評価の方法は自治体により異なるため画一的な方法で保健師活動評価と関連付けることは難しいこと、また、目的に照らした評価を意識できる評価方法が重要であることが考えられた。2.A県内で行政評価を実施している3市およびA県以外で行政評価に先進的に取り組んでいる3市の保健師に面接聞き取り調査を実施し、行政評価および保健師活動評価への取り組み状況の詳細と課題、筆者らの作成した活動評価シート試案の改善や有効活用への意見を把握した。行政評価の具体的方法は異なるが、活動の目的や成果を明確にしたり、他部署と連携したりする機会となっていた。2市は、行政評価とは別に保健活動や事業評価のための様式を作成しており、特に担当地区での活動を評価する方法を模索していた。筆者らの作成した活動評価シート試案に対しては、使用目的の明確化、見やすい様式への工夫などの意見が得られた。この結果と上記1の結果を開発する活動評価方法に活かしていく。3.文献調査として、2008年~2011年前半の保健師活動評価に関する調査研究の文献を収集、分類・整理した。活動評価方法を検討した文献が3割であった。本研究において開発する活動評価方法の特徴をそれらと比較して検討していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度は研究開始が遅れたことから、全体的に進行が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は、前半期の取り組みとしては、平成23年度の各調査結果をもとに、保健師活動評価方法の案を完成させる。後半期には、作成した保健師活動評価方法の案を活用し、2か所程度の市町村において試行的に評価を実施する。全体的に取り組みが遅れているため、前半期には、平成23年度の調査結果の分析や考察とそれらをもとにした保健師活動評価方法案の作成を同時進行で進めていく。後半期の調査を取り組みを推進するために、試行的に評価を実施する市町村の依頼を早めに開始する。
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次年度の研究費の使用計画 |
23年度研究費から34万円が次年度研究費となる予定である。これは、物品費ではノートパソコンが予定よりも低価格であったこと、旅費は調査旅費として使用した支払いが済んでいないこと、謝金等で聞き取り調査のテープおこしを依頼しなかったことからの残金である。 24年度は、物品費として当初予定の12万円から26万円増額し38万円を計上する。当初計画の図書購入に加えて、2市町村での活動評価試行時に、実施場所ごとの作業がスムーズに行うことができるようにノートパソコンを1台追加購入する。 旅費は当初予定の22万円から8万円増額し、30万円を計上する。23年度旅費の未支払い分と研究成果の公表および活動評価試行の調査旅費である。 謝金等は14万5千円を当初予定通り計上する。活動評価試行の調査のテープおこしの作業を中心とした謝金である。 その他は当初予定の1万5千円から2万円増額し、3万5千円を計上する。23,24年度の調査協力市町村への結果報告等のための郵送費を増額して準備する。
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