研究課題/領域番号 |
23593388
|
研究機関 | 岐阜県立看護大学 |
研究代表者 |
松下 光子 岐阜県立看護大学, 看護学部, 教授 (60326113)
|
キーワード | 保健師活動 / 評価 / 市町村 / 看護学 |
研究概要 |
市町村保健師の活動評価方法のツールを開発するために、これまでに研究者らが作成した市町村保健師活動評価シート試案について、平成23年度に実施した保健師への聞き取り調査時に得た活用に向けての意見を基に、内容を修正した。さらに実際に活動評価を行うために、活動評価シート試案に情報を記載することを助ける質問項目案を研究者間の話し合いにより作成した。 作成した活動評価シート試案と質問項目案を使った活動評価の試行調査を1自治体において実施した。研究者がシートへの記載と記載するための質問を行い、新任、中堅、ベテランという保健師経験の異なる3名の保健師が同席して一つの事業についての評価を話し合いながら実施した。90分2回の時間をとり、評価を実施した。評価の実施後、各保健師に面接を行い、実施した活動評価方法への意見、経験の異なる3名の保健師が同席して実施したことによる効果などについて、聞き取りを行った。この試行の結果を基に、実践の場で活用しやすいように、活動評価シート試案および質問項目案を修正した。 保健師活動評価に関する先行研究について文献調査を実施した。1998年から2011年までの保健師活動評価に関する文献を医学中央雑誌Web版を用いて検索し、72文献を取り寄せて内容を確認、整理し、保健師活動評価の実際、開発を目指す評価方法の位置づけや特徴を検討した。保健師活動評価の方法を検討する文献が近年増加していること、地域の健康課題への対応を基盤とする活動評価の必要性、看護活動であり行政活動である保健師活動評価の課題、看護過程の展開を促す活動評価方法の必要性などを確認した。 また、平成23年度に実施した保健師活動評価と行政評価への市町村保健師の取り組みの実態調査結果を整理し公表した。さらに、公衆衛生看護学のテキストから保健師活動評価について述べられている内容を整理した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
活動評価シート試案の修正、質問項目案の作成が予定よりも遅れ、また、調査依頼にも時間がかかったため、3カ所程度の自治体において実施して平成24年度内に終了する予定であった活動評価の試行調査が、1か所で実施できたのみであった。
|
今後の研究の推進方策 |
実施が遅れている活動評価の試行調査について、7月までに2カ所程度の自治体における調査を実施し、終了する。試行調査と並行して、看護活動、保健師活動、行政活動、行政評価などに関する文献の整理を進める。8月以降は、調査結果をまとめ、活動評価方法のツールとしての評価シートおよび質問項目を最終案として作成するとともに、看護活動であり行政活動である保健師活動の考え方を整理する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
活動評価の試行調査の実施が遅れており、調査旅費および調査のテープおこし、調査メンバーが活用できるノート型コンピュータの購入に予算を活用する。また、文献について、国内外の公衆衛生看護学のテキスト、保健師活動や保健活動、看護活動の評価に関する文献、行政活動に関する文献等の購入を行う。最終年度となるため、最終的なとりまとめを行うために、関係学会等に参加し、保健師活動や保健師活動評価に関する情報収集と検討を行う。さらに、報告書の作成、開発した活動評価方法を広く公表するためのパンフレット等の作成を行う。
|