研究課題/領域番号 |
23593396
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
山田 和子 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 教授 (10300922)
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キーワード | 子ども虐待 / 要支援事例 / 妊娠 / 乳児全戸訪問 |
研究概要 |
虐待は育児の問題が最も悲惨な状況に陥った状況であり、予防的に関わるには育児を中心に支援していくことが有効とされている。そこで、虐待だけでなく虐待だけでなく要支援事例を含めた対象について調査を行い、妊娠から4か月児健診における縦断研究で、調査時期は妊娠届出時、乳児全戸訪問時、4か月児健診時で、各市町で実施している母子保健システムを活用して行う。分析は時期別(妊娠期、乳児全戸訪問時、4か月児健診時)に分析するともに、3つの時期を縦断的に分析する。 本年度は要支援事例として16事例収集できた。収集した事例の妊娠期のリスクとして、①養育者のリスクとして障害(知的、身体、精神)若年、妊娠管理が不充分、喫煙・飲酒、慢性疾患など、②家庭のリスクとして、夫婦不和、再婚、一人親、経済問題、親族からの支援なし、妊娠後転入などであった。妊娠期の支援として、両親学級への勧奨、医療機関・実家への訪問し、出産後の養育体制についての検討が実施されていた。 乳児全戸訪問時のリスクとして、①養育者のリスクとして愛着形成、育児ストレス、育児支援がない(あるいは育児支援、具体的な育児指導が必要)②家庭のリスクとして近所との交流なし、経済問題、兄弟の問題、③子どものリスクとして仮死、先天性疾患、低出生体重児、重症心身障害児であった。乳児全戸訪問時の支援として、医療機関への紹介、医療機関との連絡調整、ケース会議、サービス紹介などであった。 妊娠期に把握できたリスクは解決困難なリスクが多く、さらに乳児全戸訪問時には子どものリスク、養育に関するリスクが追加されることから、妊娠早期から出産後のリスクを予測した支援が必要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2か所の市町村を対象に調査を実施する予定であったが、1か所の市町村で調査を行った。しかし、当初の予定より多くの事例を収集し分析することができた。平成25年度も同一の市町村で調査を行う予定であり、研究は計画どおりに進行する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
23年度、24年度の研究結果をふまえて、要支援事例の収集の追加と成果の公表に向けてデータをまとめる。①研究班会議を開催し、今年度の研究スケジュールの調整を行う。 ②これまで収集した事例について追加情報を得るとともに、新規の要支援事例の情報を収集する。③妊娠期、乳児全戸訪問時、4か月児健診時について、リスクについて横断的・縦断的に分析する。④学会でこれまで得た成果を公表する。
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次年度の研究費の使用計画 |
・物品費(集計用のソフト、印刷用のトナー、調査用のUSBなどの文房具、書籍など):200,000円 ・旅費(最新の知見収集、成果の発表のための旅費、調査地域への旅費など):200,000円 ・人件費・謝金(データ入力・資料整理のための謝金、事例検討の助言者の謝金など):200,000円 ・その他(学会参会費など):20,000円
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