研究課題/領域番号 |
23593397
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研究機関 | 香川県立保健医療大学 |
研究代表者 |
合田 加代子 香川県立保健医療大学, 保健医療学部, 准教授 (20353146)
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キーワード | 戸建て団地 / 孤立死予防 / 高齢者 / コミュニティづくり / 波及 / 保健師 |
研究概要 |
本研究は高齢戸建て団地における住民主体の孤立死予防型コミュニティづくりの波及モデルを構築することが目的である。 平成24年度は、モデル戸建て団地における住民・大学・行政によるCBPR(Community-Based Participatory Research)の実践を通して育成した住民組織活動を核とした小地域における孤立死予防型コミュニティづくりの支援過程を検討し、「 住民主体の孤立死予防型コミュニティづくりモデル」を構築した。さらに、第71回日本公衆衛生学会総会学術集会の自由集会にエントリーし、「住民で創るすこやかコミュニティ-孤立予防:住民が住民を支えるしくみづくりを探る-」をテーマに、住民組織とのパートナーシップによりコミュニティづくりの波及を目指す行政保健師、モデル団地で実践活動を展開している住民組織代表者、住民主体のコミュニティづくりモデルの構築と波及を目指す大学研究者によるシンポジウムを開催した。 その結果、地域看護学領域の大学研究者、A市議会議員、A市民生委員連盟協議会等、コミュニティづくりに影響力のある関係者や地域福祉活動の中心的住民組織からの反響が得られた。それ以降、他大学研究者およびA市議会教育民生常任委員会委員の視察の受け入れや活動の紹介およびスーパーバイズ等を実施した。これらの取り組みによって、今後、波及活動を効果的に推進していく上での対象および方向性が明確になった。 また、学術雑誌への論文掲載2編、学術集会における研究成果発表3件、公衆衛生看護学テキストの執筆1編等、学術的側面からも波及の推進につなげてきた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的は、高齢戸建て団地における住民主体の孤立死予防型コミュニティづくりの波及モデルの構築であり、平成24年度の計画は「 住民主体の孤立死予防型コミュニティづくりモデル」の構築と波及方法の検討であった。 モデルの構築については、ほぼ予定どおり進めることができ、公衆衛生関係者に提示してきた。なお、効果的な波及方法の検討の進捗状況としては、研究推進過程において、コミュニティづくりのキーパーソンとして位置づけられるのは、地区を担当する行政保健師および地域福祉活動の中心的住民組織である民生委員児童委員であることを見極めるに至った段階である。 また、研究成果を日本地域看護学会および日本公衆衛生学会で発表し、学術雑誌(Environmental Health and Preventive Medicineおよび地域環境保健福祉研究)に論文を投稿した。 以上より、平成24年度の研究目的の達成度はおおむね順調に進展していると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
平成23年度の研究推進過程で、住民主体のコミュニティづくりの推進役のキーパーソンと成り得るのは、モデルの構築を担う大学研究者、地域福祉活動を担う住民組織(民生委員児童委員・保健委員)、地域に責任を持って活動する行政保健師であることが推察された。 そこで、平成25年度は、それらの対象に焦点を当てた内容を推進し、最終的には「住民主体の孤立死予防型コミュニティづくりの波及モデルの構築」に向けて進めていく予定である。 具体的には、以下の研究推進計画を立案した。 ①孤立予防型コミュニティづくりにおいて行政保健師と協働する大学研究者の役割を検討する。(第72回日本公衆衛生学会自由集会にエントリー)。②民生委員児童委員および保健委員を対象に地域組織活動およびコミュニティ意識に関する実態調査(1200名)を実施し、組織特性を活かした「孤立予防型コミュニティづくり」の方策を検討する。③行政保健師を対象にしたコミュニティづくりに関する学習会を開催する。
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次年度の研究費の使用計画 |
1.物品費(パソコン・プリンター、統計ソフト、文具、用紙代、文献等) 500,000円 2.旅費 (旅費、宿泊費、広報活動旅費) 450,000円 3.人件費(講師謝金、翻訳料、研究協力・データ整理謝金) 650,000円 4.その他(学会参加費・年会費、論文投稿料、別刷料、会議費 会場借料(自由集会、研修会)、リーフレット印刷費、パネル作成費 690,000円
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