平成25年度は、前年度に実施した市町村発達障害児支援担当者に対するインタビュー調査の結果に基づき、全国の市町村(保健所設置市・特別区の全数、その他の市町村1/2抽出)の発達障害児支援を担当する部署の保健師を対象に、発達障害児支援体制および具体的な支援状況に関する郵送調査を実施した。また、市町村保健センターと地域の関係機関の間で発達障害児支援の恒常的な連携体制が構築されている市町村4箇所を選定して視察を行った。その結果、郵送調査は445件(人口30万人以上7.9%、5万~30万人未満28.3%、1万~5万人未満38.9%、1万人未満24.9%)の回答を得、発達障害児支援の主担当部署は保健担当部署が47.4%、保健と福祉を併せた部署が25.2%、福祉担当部署が13.9%であること、発達障害児の把握経路は乳幼児健康診査が99.3%、幼稚園・保育所・こども園等からの相談や情報提供が92.8%と多く、保健所、児童相談所、発達障害者支援センターを経由する把握は少ないこと、保健師の支援技術を高めるために近隣市町村の保健師等による自主研修会に参加している人が31%に上ること、発達障害児支援で困難を感じる事項は、保護者の理解や支援の受け入れが81.3%と最も多く、次いで、保健師の個別支援技術の向上が66.3%、発達障害児等の療育・支援施設の受け入れが62.0%、保健師のスクリーニング技術の向上が60.4%と多いことなどが明らかになった。また、保健師が職務として職場外の研修に参加する割合、発達障害児等の紹介先医療機関の確保、発達障害児等の療育・支援施設の受け入れ等において、市町村の人口規模との関連が見られた。さらに、先進地域の活動の視察から、複数部署の活動を統括する保健師の存在、専門家の支援等連携システムの構築に関わる要件が明らかになった。
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