研究実績の概要 |
本研究の目的は、地域の子育て支援のためにソーシャルキャピタル醸成することをめざしてコミュニテイ・ミーテイングという手法を用いある地区に介入し、そのプロセスを記述し、コミュニテイ・ミーテイングの意義を考察することである。 最終年度の今年度は、昨年実施したコミュニテイ・ミーテイング直後のインタビューの分析を行うとともに、一年後インタビューを関係者7名,またコミュニテイ・ミーテイングを契機に実施し始めた「子育て広場」の関係者にグループインタビューを行った。1年後インタビューでは、「参加者の中には普段は遠慮していて思いを口にすることはないのにコミュニテイ・ミーテイングに参加した時は言語化できた人がいたと思う。そのことにより、子育て中の親子の交流する場の必要性が地域の方々に理解され、実施に向けての熱意ある人が行動に移せたことがよかった」という意見があった。またコミュニテイ・ミーテイングを契機に開設されるようになった「子育て広場」では、自治会役員・民生児童委員の方が参加しているので、いままで顔合わせることがなかった子育て世代と知り合う機会となっているとのことである。 この「子育て広場」において本研究で新聞発行を担ってきた学生が自分たちで作成したシナリオを基に2回劇を演じ、参加した親子に大変好評であった。本大学の研究発表の場(オープンリサーチフォーラム)で、「地域の絆づくり」についてセッションを行った。新聞発行も今年度内に3回行い、4年間で9号発行した。 本研究の経緯は、初年度はフィールド獲得とフィールドへの参加協力依頼と、地区の現状把握のために地区事業への参加や関係者へのインタビューを行った。2年目には、地区状況把握のための調査実施、コミュニテイ・ミーテイングの実施のための準備会を2回実施した。3年目には住民・行政・大学の3機関によるコミュニテイ・ミーテイングを実施、今年はまとめた。
|