研究概要 |
本研究の目的は,養護診断過程において学校教育下の子どもの健康問題を早期発見するための心理的及び社会的アセスメントの概念とその指標を開発することである。平成23年度全国学校総覧に記載の小・中・高等学校を無作為抽出し各1,000校(計3,000校)を対象に郵送法による無記名自記式質問紙調査「養護教諭が行う心理的・社会的アセスメント実態調査」を実施した。調査内容は仮に設定した心理的アセスメント13項目,社会的アセスメント10項目,生活習慣アセスメント7項目の計30項目であり,各々の実施度と重要度を4件法マークシート方式で調査した。項目になく実施また重要と考える項目は自由記述とした。調査期間は2011年10月から11月、回収数は1501校(回収率50.0%,有効回答率99.9%),内訳は小学校469校(31.5%)中学校464校(30.9%)高等学校488校(32.8%)中等教育学校66校(4.4%)無記入14校(0.9%)であった。倫理的配慮は調査依頼文書を学校長及び養護教諭宛に調査票と同封し本調査票の返送をもって調査の同意が得られたものとした。結果として,30項目中生活習慣アセスメントの2項目を除く28項目に実施度と重要度に差がみられた。重要であるが実施しにくい項目があることがわかった。このことから重要度の回答をもとに指標作成を試み,因子分析により28項目4因子構造,各々を「体から心への導入アセスメント」「生活習慣アセスメント」「他者との関わりアセスメント」「自己発見アセスメント」と命名した。一方CS分析の手法を参考に改善度の高い項目を検討した。それらは上記「自己発見アセスメント」に属する項目であった。今後はこの4指標で養護教諭が行う心理的・社会的アセスメントシートの作成を試みる。
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次年度の研究費の使用計画 |
物品費…140,000円(消耗品等)旅 費…120,000円(研究会開催に関わる費用等)人件費謝金…390,000円(調査事務アルバイト等)その他…120,000円(ホームページ管理料、郵送費等)
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