研究課題/領域番号 |
23593406
|
研究機関 | 女子栄養大学 |
研究代表者 |
大沼 久美子 女子栄養大学, 栄養学部, 講師 (00581216)
|
研究分担者 |
遠藤 伸子 女子栄養大学, 栄養学部, 教授 (90310408)
武藤 志真子 女子栄養大学, 栄養学部, 教授 (40076162)
|
キーワード | 学校保健 |
研究概要 |
本研究の目的は,養護診断過程において学校教育下の子どもの健康問題を早期に発見するための心理的・社会的アセスメントの概念とその指標を開発することである.平成23年度に実施した調査の再検討をおこなった.養護教諭が行う心理的・社会的アセスメントの実態として重要度と実施度には30項目中28項目に有意な差が認められた(Wilcoxon 符号付き順位検定).それらを優先改善項目とした.また実施度と重要度に関する質問群それぞれを対象に因子分析を適用した.因子の数は相関行列の固有値1以上の数,因子抽出法は最尤法,回転法はプロマックス回転を採用した.因子負荷量の絶対値が0.35未満の質問項目が存在した場合,それを除外し再分析を行った.因子分析後,各因子と関係する質問群のCronbach のα係数を算出した.最後に抽出した因子と勤務経験年数とのPearson相関係数を計算した.また,勤務学校種間の因子得点の平均値の差にTukey HSDを適用した.結果,実施度,重要度ともに5つの因子構造が認められた.因子を構成する内容は実施度と重要度では異なっていた.実施度と重要度ではすべて重要度の得点が高かった.実施度と重要度は有意な差がみられる項目が30項目中28項目であったことから重要度の因子構造をもとに養護診断過程における養護教諭が行う心理的・社会的アセスメントシートを作成することが示唆された.それらの因子は「体から心への導入アセスメント」「生活習慣アセスメント」「役割相互関係アセスメント」「身近な人との関わりアセスメント」「自己発見アセスメント」と命名した。学校種別に検討した結果,5因子構造は同様であったが,優先改善項目の優先順位が異なり因子得点間の平均値に有意な差が認められたことから,学校種別に「養護教諭が行う心理的・社会的アセスメントシート」を作成することが示唆された.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的は、養護診断過程において学校教育下の子どもの健康問題を早期に発見するための心理的・社会的アセスメントの概念とその指標を開発することである。本研究で達成すべき養護診断過程において養護教諭が活用できる心理的・社会的アセスメント指標は、養護教諭を対象とした実態調査から5因子構造でありそれら内容が明らかとなったこと.現在論文を作成し投稿を準備している段階である。
|
今後の研究の推進方策 |
養護診断過程において養護教諭が活用できる心理的・社会的アセスメント指標は5つの因子で構成されることがわかったため、各因子を構成する内容で「養護教諭が行う心理的・社会的アセスメントシート」を学校種別に作成する.それらが実際に学校現場で活用されるよう養護診断開発研究会webサイトにアップするとともに広報活動を行うことで普及啓発を図る.活用した成果を検証しさらに詳細な心理的・社会的アセスメント項目を抽出するため,養護診断開発研究会webサイトを通じたweb調査「養護教諭が行う心理的・社会的アセスメントニード調査」を実施し,各指標を構成する内容の詳細を検討していく.
|
次年度の研究費の使用計画 |
物品費175,000円,旅費120,000円,人件費・謝金405,000円,その他900,000円
|