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2012 年度 実施状況報告書

産業看護職の地域・職域連携コンピテンシーの明確化および教育プログラム開発と検証

研究課題

研究課題/領域番号 23593409
研究機関東海大学

研究代表者

三橋 祐子  東海大学, 健康科学部, 助教 (10580813)

研究分担者 錦戸 典子  東海大学, 健康科学部, 教授 (10172644)
キーワード地域・職域連携 / 産業看護職 / 産業保健 / 地域保健
研究概要

①地域・職域連携に関する文献検討:関連する文献を系統的に探索した。文献本数自体が少なく、今後、下記に述べるような様々な連携事例や調査の分析結果等を公表していく必要性が示唆された。
②日本産業衛生学会登録産業看護師1004名を対象とした質問紙調査による成果:回収率54.5%。地域保健との連携経験者46.5%であり、主な連携対象者や連携方法が明らかになった。また、「地域保健との連携経験の有無」は「産業看護実務経験年数」と有意な正の相関が認められたことから、経験の浅い保健師では地域保健業務に関する知識が浅く、連携方法等の技術が身に付いていない可能性が考えられた。このことからも、地域・職域連携に関するコンピテンシー(能力)を明確にし、さらに、教育システムを構築する必要性が示唆された。これらの成果は第86回日本産業衛生学会で報告する予定である(2013年5月)。
②地域保健との連携事例に関する電話インタビューの実施と成果:①の調査において、電話インタビューの同意が得られた44名を対象とし、実施した。従業員の個別支援においては、メンタルヘルス不全、アルコール依存症、生活習慣病等の疾患を持つ従業員が休職・退職により地域へ戻る際、より適切な医療やサービスを受けるための連携活動に取り組まれていた。また、従業員が健康に働くためには、その家族が抱える問題も解決する必要がある、という視点から、家族の介護、不登校、メンタルヘルス不全等の問題においても地域保健と連携している現状が明らかになった。こういった問題は家族内で抱え込みやすく、地域保健の側からだけでは問題が明らかになりにくいため、地域・職域双方からの働きかけの必要性が示唆された。さらに、地域・職域双方の看護職が集まる研修会の実施・参加や、地域保健との協働保健事業の開催等の連携事例、および看護職が実感している連携のメリットについてもデータ収集できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

H24年度の研究計画では、①地域・職域連携に関する文献検討、および②日本産業衛生学会登録産業看護師を対象とした質問紙調査を挙げていたが、上記に記載した通り、44名の連携経験者を対象とした電話インタビューまで実施することが出来た。そのことにより、研究目的の一部である、産業看護職による地域保健との連携の現状や連携方法、連携のメリットを明らかにする、という点において、質問紙調査だけでは得られない、より詳細なデータを得ることが出来た。また、44名という当初の予測を超える多くの看護職の協力が得られたことにより、全国各地における数々の連携事例が得られ、次年度実施予定の面接によるインタビュー調査に向けても貴重な情報を得ることが出来た。さらに、面接によるインタビュー調査の対象者選出や同意についても順調に進めることが出来ている。

今後の研究の推進方策

H25年度は、電話インタビューにご協力いただいた44名の看護職のうち、同意の得られた約10名程度の看護職を対象に、面接によるインタビューを実施する予定である。このインタビューでは、電話では詳しく聞けなかった、連携の推進要因や障壁要因、また、連携に必要なコンピテンシーに焦点を当てて実施する。既に同意を得られている対象者も数名いるため、早々にインタビューを開始する予定である。

次年度の研究費の使用計画

H25年度は、上記に述べた通り、約10名の看護職を対象に面接によるインタビューを実施するため、それに伴う旅費、謝礼、遠方の場合は宿泊費が発生する。また、インタビューの依頼やデータ整理等の事務作業を担当する事務職員への手当、テープ起こし等の委託費用が生じる予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 産業看護職による地域保健との連携の実施状況と地域・職域連携に必要な産業看護職のコンピテンシー(第1報)

    • 著者名/発表者名
      三橋祐子
    • 学会等名
      第86回日本産業衛生学会
    • 発表場所
      ひめぎんホール(松山市)

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公開日: 2014-07-24  

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