研究課題/領域番号 |
23593415
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研究機関 | 新潟医療福祉大学 |
研究代表者 |
宇田 優子 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 准教授 (70597690)
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研究分担者 |
三澤 寿美 東北福祉大学, 健康科学部, 教授 (10325946)
島貫 秀樹 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 准教授 (40326749)
石塚 敏子 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 講師 (80339944)
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キーワード | パーキンソン病 / 災害への備え / 薬備蓄 / 災害時要援護登録 |
研究概要 |
【目的】本研究は内服薬の中断によって病状悪化の危険性が高いパーキンソン病(以下、PDと略す)患者に対し、目的1、「災害への備え」として内服薬、災害時要援護登録等の準備状況について実態を明らかにし、目的2、継続的な「災害への備え」について患者教育介入プログラムを開発するための3年間の介入研究である。平成23・24年度は被災体験のあるPD患者にインタビュー調査を実施し、分析結果を基に平成25年度に量的調査を行い、集計入力、結果分析を行った。 【調査の概要】(1)調査対象者は東日本大震災の被災地域を除く東日本地位kのPD友の会支部会員1,030人である。(2)方法は郵送自記式質問紙調査。(3)調査期間は平成25年3月から9月である。 【調査結果の概要】回収率は53.6%であった。結果から(1)PD治療薬は患者の8割が自己管理している。過去1年間の外出時はお薬手帳を半数は持参していた。(2)自然災害体験は患者の7割は無いが、今後被災の可能性を6割強はあると思っている。(3)災害に備えて、PD治療薬の備蓄は3日以上必要と9割以上が回答しているが、過去1年間でまったく備蓄していなかった患者は4割いた。理由は「考えたこともない」が多かった。(4)災害時要援護登録は、PD日常生活自立度II以上を分析対象とし分析した結果、17.2%が登録をしていた。同居家族の有無による差は無かった。(5)登録のきっかけは「民生委員」「町内会役員」が多く、顔を合わせての勧めが有効であった。(6)登録をしていない理由は、「制度を知らない」「登録方法を知らない」が多かった。(7)薬備蓄、要援護登録とも「災害への備え」知識をもつことと、身近な他者からの働きかけが有効であることが明らかになった。この結果をもとに、PD友の会の協力を得ながら引き続き患者教育プログラムの開発を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成23年度の共同研究者が病気休暇となったため、23年度に予定していた研究が遅れた。 共同研究者を変更して24年度以降取り組んだが、若干遅れて進行した。研究目的の①「災害への備え」として内服薬等の準備状況について実態を明らかにする、は達成した。②継続的な「災害への備え」について患者教育プログラムを開発する、は現在開発中である。
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今後の研究の推進方策 |
研究目的②『継続的な「災害への備え」について患者教育プログラムの開発』を引き続きパーキンソン病患者友の会の協力を得ながら開発を行う。研究目的①あきらかになった内服薬等の「災害への備え」の実態は、報告書を作成し、患者会に提示・共有する。また、関係学会に論文投稿して研究成果の共有を図り、難病患者の災害への備え行動を促進させる。
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次年度の研究費の使用計画 |
現在、量的調査の最終分析中である。研究協力者に対して、調査結果まとめの報告書を作成し、配布する予定であるが、平成25年度末までに完成しなかったため、冊子の印刷・郵送代金が残額として発生した。 研究まとめ冊子の印刷・郵送代金とする。
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