研究課題/領域番号 |
23593417
|
研究機関 | 佐久大学 |
研究代表者 |
宮崎 紀枝 佐久大学, 看護学部, 准教授 (50349172)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2015-03-31
|
キーワード | 保健事業 / データベース |
研究概要 |
本研究の目的は、保健事業のデータベースに基づいて、実践者とパートナーシップをとり、経営戦略の知見を視座として保健事業の創出戦略を体系化することである。このため、23・24年度では、保健事業のデータベースの作成と運用を目標にし、25・26年度はデータベースで集められた事例を基に戦略の体系化を行うことを目標にしている。初年度である23年度は、(1)文献検討を行い、(2)保健事業のデータベース項目の抽出を目的に事業化事例の調査を実施し、(3)実践者である保健師の協力を得て、保健事業のデータベースのひな型を検討した。文献検討は研究者中心に実施し、調査内容を作成した。その後、自治体で働く保健師で事業化の経験を持つ対象者に質問紙への回答を依頼した。事業化事例の調査結果から、事例の基本情報として、事業名、事業目的、対象者、事業内容、予算概要、従事者が必要であること、事業を企画するための企画情報として、対象者へのアプローチ上の工夫、予算獲得のコツ、合意形成のための説明資料の作成などの情報にも要求があることが分かった。これらの項目を参考に、保健事業のデータベースを作成するため、保健師に協力を求めることにした。(Community-Based Participatory Researchの開始)保健師への協力依頼は、2か所の保健所管内保健師会へ一般公募を行い、10人の保健師から協力の意思を受けた。協力者である保健師とデータベース作成業者との会議を重ねて、保健事業データベースの項目の精選、デザインなどのひな型を作成した。なお、本研究を実施するに当たり、所属大学の研究倫理審査会の承認を得て実施している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実践者である保健師とのパートナーシップ構築について早めに開始できた。データベース作成業者も含めて会議を持てたため、保健師や研究者の意図をデータベースのひな型作成に反映できたと考える。一方で、今後、保健事業のデータベースの事例を広く集めるにあたり、基本情報と企画情報を一度に収集することは、書き込み情報が多いことにより収集数に影響を与えると考えている。このため、はじめは基本情報で多くの情報を集めたのちに、徐々に企画情報を加えてデータベースを充実させていく手法を採用していく予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
(1)保健事業のデータベースの作成と運用:ドメインの決定や情報フォームを作成したのちに、100件程度の事業化事例を集め、データベースの運用を公開していく。課題として、実践者が活用できるデータベースにするためには、閲覧者・登録者を増やす必要がある。この解決策として、はじめは、記述しやすい基本情報の募集で事業事例の数を集めることにする。登録者のみ閲覧できる情報として企画情報を準備し、はじめは、調査結果を中心に研究者がデータベースに情報提供していき、登録者数の増加をはかる。登録者増加が得られたのちに、実践者の企画情報を充実していくように計画する。雑誌等でPR記事の掲載等についても検討していく。(2)保健事業のデータベースのモニタリング:保健師の協力を得て、データベースの活用状況と改善のための修正を行っていく。(3)調査分析の公表:初年度の調査の分析を進めて、データベースおよび学会等で公表していく。
|
次年度の研究費の使用計画 |
(1)データベース運用に関する経費:サーバーレンタル料、運用費、管理費、追加のデータ作成費が必要となる見込みである。登録者数の増加をはかるため、運用を公開後、雑誌等でのPR記事を掲載したいと考えている。このため、掲載費用が必要となる。(2)モニタリングとデータベースの改善:保健師の協力を得て、データベースのモニタリングを行うため、会議費、交通費、謝礼等が必要となる。(3)調査分析と公表に伴う費用:学会参加費、消耗品購入費、人件費、その他(翻訳等)が必要となる見込みである。
|