研究課題/領域番号 |
23593419
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研究機関 | 畿央大学 |
研究代表者 |
乾 富士男 畿央大学, 健康科学部, 准教授 (80469551)
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研究分担者 |
加藤 憲司 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70458404)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2016-03-31
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キーワード | 双生児研究 / 心身症 / 看護師 |
研究概要 |
双生児研究においては該当する双生児ペアに被験者になってもらうことが必要であるが,双生児の登録制度のないわが国においては該当者の把握に大変な費用と労力を要する状況にある。われわれの研究テーマにおいても,一方が看護師の双生児ペアを把握することが重要かつ最も困難な課題である。そこで,まずは社団法人日本精神科看護技術協会(会員数4万人の看護師の職能団体)の協力を得て,同協会の会員へニュースレターにより本研究の案内を行い参加する看護師の成人双生児の募集を行った。しかし,被験者登録の応募がほとんどない状況であった。そこで,本年度はWEBサイトの構築を行う予定であったが,まず被験者のリクルート方法について検討を行う必要があった。他の募集方法としては,日経リサーチ社を通じた被験者募集の方法を検討した。費用面や同社に登録している被験者層などが本研究に合致するものかなどについて日経リサーチ社の担当者と検討したが,当初予定の研究費を大きく上回るため,他の方法を模索している。また,日本看護協会を通じた募集については,交渉を行ったが実現には至らず実施できていない。以上のように,被験者を募集することそのものは本研究の目的ではないが,双生児研究においてはそのノウハウおよび協力をしてくれる登録者が重要な財産である。本年度にはベースライン調査のための質問紙を作成した。来年度にはこの質問紙をWEBサイト上で利用可能にし,データベースに直接保存される仕組みを構築する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究に協力してもらえる被験者を当初の予定では今年度中に登録できると見込んでいた。双生児は100出産に1組割合で存在する。そこで,4万人に案内すれば800人の双生児が目にするので,25%の人が登録してくれれば200組の双生児が協力してくれることになると考えていた。しかし,実際にはわずかな反応しかなく,案内方法に問題があることがわかった。WEBサイトを構築していない理由としては,被験者の募集が予想以上に困難であるため,被験者募集に必要な費用とWEBサイトの構築に必要な費用のバランスを取るため,次年度に繰り越すことにした。また,WEBサイト上でも被験者を募集するため,効果的なサイトの構築に関して検討を行ったため,今年度中の実現が困難であった。
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今後の研究の推進方策 |
本年度に実施要諦であったベースライン調査ができていない。理由は十分な数の被験者がリクルートできていないことにある。そこで,本年度構築予定であったWEBサイトおよびアンケートと連動したデータベースを次年度に繰り越した。そのため,研究分担者は研究費を使用していない。そこで,被験者が集まらなければ研究ができないので,次年度は被験者の募集に全力を挙げる予定である。看護師の会員数では最大である日本看護協会に協力を再度依頼する。また,別のルートとして都道府県の看護協会にも直接交渉し協力を求める。さらに,全国の病院協会にも募集の案内を周知してもらえるように依頼する。調査に必要な質問紙の開発は完了しており,後はWEBベースのデータベースを構築するだけである。
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次年度の研究費の使用計画 |
被験者登録用WEBサイトの構築を今年度は行っていないので次年度に行う予定である。WEBサイトの構築費用は100万円を見込んでいる。WEBサイトにはアンケートの回答を保存するためのデータベースとの連携が含まれる。また,当初の予定では被験者のリクルートにはあまり費用がかからない見込みであったが,今年度行ったリクルート方法では十分な効果が得られなかった。そこで,次年度には被験者募集のための宣伝費が必要であると考えている。具体的には,全国の関係機関に協力を求めるための通信費,日経リサーチ社のような調査会社への費用,看護協会や病院協会への訪問のための交通費などである。これらの被験者募集のための費用には合計で100万円を見込んでいる。
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