研究課題/領域番号 |
23593419
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研究機関 | 畿央大学 |
研究代表者 |
乾 富士男 畿央大学, 健康科学部, 准教授 (80469551)
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研究分担者 |
加藤 憲司 神戸市看護大学, 看護学部, 准教授 (70458404)
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キーワード | 双生児研究 / 職場環境 / 看護師 |
研究概要 |
当初の計画では独自に設置したWEBサイトで被験者の募集を行うことにしていた。しかし,この方法による被験者募集は職能団体のニュースレター等による周知を行ったにもかからず,必要な数を集められる見込みがないことがわかった。そこで,すでに昨年度より計画を変更し,研究代表者および分担研究者が招へい教員を務める大阪大学大学院医学系研究科附属ツインリサーチセンター(以下ツインリサーチセンター)のツインレジストリーの本研究への利用申請を行うとともに,調査そのものをツインリサーチセンターと合同で実施することとした。 本年度はこの計画変更に従い,ツインリサーチセンターにおいて研究計画および質問紙作成,倫理申請,WEBサイトの構築の計画を行った。 ツインリサーチセンターのレジストリーには1000組程度の被験者登録があるが,そのうち看護師が何名含まれているかは不明である。そこで,本研究に必要である看護師の被験者を特定するための質問も今回の調査に含めることにした。また,今後も縦断調査を行うことから,引き続き看護師の被験者の募集は行っていく計画である。独自に募集した被験者にもツインリサーチセンターのレジストリーへの合流を依頼し,今後の被験者の募集はツインリサーチセンターに一本化する。しかし,ツインリサーチセンターは看護師に限った募集をしていないことから,本研究に必要な看護師の参加を呼びかける活動は今後も継続していく必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
被験者の募集が当初の予想以上に困難であったことによる。計画段階では100出生あたり1組の双生児が生まれる計算から,40000人に案内すれば8000人の双生児が研究を知ることができ,そのうち10%が協力してくれても800人になるはずであった。しかし実際にはほとんど協力者は現れなかった。ツインリサーチセンターにおいて行った被験者募集でも同様の結果であった。被験者募集の困難さが何に起因するのかは定かではないが,今回実施してみて初めて分かったことであり,事前に予測することは困難であった。その理由の一つには,わが国にはツインレジストリーがない(大阪大学と慶応義塾大学にあるのみ)ことが挙げられる。 また,成人双生児の場合,すでに生活の拠点や習慣がペア間で異なっていることが多く,双生児ペアがそろって参加しなければならない点も敷居を高くしていると考えられる。 いずれにしろ,成人双生児の被験者募集は研究者個人のレベルでできる課題ではないことがわかったため,わが国最大で唯一の成人双生児レジストリーである大阪大学ツインリサーチセンターのツインレジストリーを使用した研究計画に変更し,ツインリサーチセンターと合同で実施することとした。
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今後の研究の推進方策 |
すでに大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻の倫理委員会に研究計画を提出し承認待ちの状態である。2014年5月中には承認される見通しであるため,5月もしくは6月にベースライン調査を実施する。 同調査結果を踏まえて,フォローアップ調査を2年毎もしくは3年毎に計画し,実施する。 今回の調査は紙の質問紙を郵送する方法を併用している。理由は,ツインリサーチセンターが過去に実施している調査がすべて郵送法によるものであったため,被験者の便宜を図り回収率を上げるためである。しかし,今後は当初の計画にあるようにWEBサイトによる調査に段階的に移行できるように計画している。
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次年度の研究費の使用計画 |
計画の遅れにより,当初予定していたWEBサイトのうち,被験者募集サイトは既にあるが,質問を行うサイトを構築していない。次年度にベースライン調査を行うことが確定したので,調査内容や被験者に合わせて次年度に質問サイトを構築することとした。 2014年6月に実施予定のベースライン調査(他の研究と合同で実施のため,郵送法による)の際に試験的にWEBサイトによる調査を併用し,その結果を踏まえて今後の調査に利用できるWEBサイトを構築する。
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