研究課題/領域番号 |
23593424
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
佐藤 和佳子 山形大学, 医学部, 教授 (30272074)
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研究分担者 |
堀江 竜弥 山形大学, 医学部, 助教 (70533917)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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キーワード | 排泄ケアマネジメント / 尿失禁ケア / 行動療法 / 廃用症候群モデル / 認知症モデル / 脳卒中モデル |
研究概要 |
(1)高齢者排泄ケアの介入研究に関するEvidence-Based Practiceの資源について情報収集として、代表的行動療法プログラムである Prompted Voiding, Habit training, Timed Voidingに関するシステマティック文献レビューを実施した。また、41th International Continence Society学術集会において、虚弱高齢者の尿失禁管理に関するワークショップに参加し、米国・カナダの地域における虚弱高齢者の尿失禁ケアのエビデンス抽出状況に関する情報収集を行った。 (2)排泄ケアマネジメント相談マニュアル(Ver.2)試案作成では、山形県長寿社会課と共同で第1期・第2期の山形県排泄ケアマネジメント相談員の現況活動調査を実施し、第3期相談員養成と相談マニュアルVer2の開発方針について検討を開始した。平成24年度に関しては、認知症モデル対応のケアマネジメント方法の検討を行う方針である。 次に、平成24年度より開始する認知症モデルの排泄ケア面ジメントモデル検討に際する排泄ケアマネジメント相談員養成の事前セミナーを、平成23年3月22日に開催し、相談マニュアルの運用方針に関する意見交換を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は、高齢者の自己決定と家族を支援する排泄ケアマネジメント相談システムの長期的運用をめざし、第2期アクションリサーチとして、「排泄ケアマネジメントマニュアルVer.2」を作成し、有効性を検討することを目的としている。 平成23年度は、高齢者排泄ケアマネジメントマニュアルに関連するEvidence収集し、先に、Ver.2 で作成した山形県排泄ケアマネジメントネットワークの運用の再検討について着手した。さらに、排泄ケアマネジメントマニュアルVer.2の試案を作成する段階まで、目的として設定している。しかし、現段階において、認知症モデルに有用なEvidenceの文献収集と検討まで着手できているが、大幅な文献収集のため、試案の作成まで着手できていない現状にある。 理由:排泄ケアマネジメントの中核となる、行動療法(Prompted Voiding, Habit Training, Timed Voidingに関するシステマティック・レビューから、認知症モデルに特化したevidence検討の作業に時間を要し、排泄ケアマネジメントマニュアルVer.2の試案作成までに至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
排泄ケアマネジメントマニュアル試案の第一弾として認知症モデルを設定、平成24年度初め~中期に作成する。その後、高齢者の状態像に応じたモデルに関するケアマネジメントマニュアルの試案作成に着手する(脳卒中モデル、廃用症候群)。併せて、ケアモデルごとのアウトカム設定、マニュアルの運用方法を検討するとともに、システムの信頼性・妥当性を得るためにオブザーバーや専門家の意見を参考にマニュアルの洗練化を図る。次に、作成した試案マニュアルについてそれぞれのモデルに応じた事例研究を実施し、マニュアルの妥当性・有効性を検証する。 一方、作成したマニュアルが地域包括支援センターにおいて実行可能となるよう、地域包括支援センターに所属している山形県排泄ケアマネジメント相談員の活動について、モデル検証を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
高齢者の臨床像に即していると考えられる認知症モデル、廃用症候群モデル、脳卒中モデルにおけるマニュアル作成のため、情報収集として文献・書籍の収集費、学会参加関連費用を計上する。学会は国内だけでなく、排尿に関する先駆的な研究を発表している国外の学会にも参加予定である。また、マニュアルの有効性・妥当性・信頼性の検証のため、専門学会への参加旅費、オブザーバーへの謝金を計上している。 また、排泄ケアマネジメント相談員に関する講習会、モデル検証、事例研究に必要な費用も計上している。事例研究や情報の早期集約を実現するため、研究補助を雇うことも検討している。得られたデータについては、系統的かつ情報の漏えいなく保管できるように物品を購入する。
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