20例の先行事例検討による退院支援行為の抽出結果を踏まえ、3か所の病院でヒアリングを行い、具体的な支援者と支援内容についてまとめるとともに、システム構築に関する知見を得た。 先行事例検討からは、病棟看護師と退院支援看護師はいずれも退院支援行為の実施者として重要な役割を果たしており、特に病棟看護師は家族・他専門職との情報共有、在宅での医療処置などに関する説明や指導、退院支援の依頼などを主に行っていた。退院支援看護師は、他機関との調整などのほか、患者・家族への説明や院内の調整も行っており、特に退院が近づくにつれ多くの支援行為を行っていた。一方、先行研究で提示されている事例は、退院支援を要する患者として特定されてからのプロセスに焦点が当たっており、退院支援に関するアセスメントについては十分な結果が得られなかった。 病院へのヒアリングにおいては、患者のスクリーニング、アセスメントについて焦点を当てて尋ねた。その結果、入院前・外来通院中からのスクリーニング・アセスメントが重要であり、そこでは専門看護師や認定看護師など、アセスメント力に優れた人員を配置することが効果的である事が示唆された。 これらを踏まえ、退院支援の効果的なシステムについての検討を行った。
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