研究課題
本取り組みは、我が国の高齢者における疼痛管理のニーズ枠組みを明らかにすること、明らかにしたニーズの枠組みを基盤とし我が国の高齢者介護施設や長期療養医療施設の看護師や介護職者により活用可能である慢性痛ケア基準の構築を行い、作成した慢性痛ケア基準の実践現場での実現可能性を探索することを目的に研究を行った。平成25年度は、研究①「高齢者介護施設に勤務する看護・介護職者による慢性痛ケア基準への評価:質問紙調査」と研究②「慢性痛ケア基準の実現可能性の検討:A feasibility study」を行い、慢性痛ケア基準の評価を行なった。研究①では、高齢者介護施設で働く介護・看護職者に作成した慢性痛ケア基準の内容についてその必要性や実施の有無を質問紙にて調査した。263通(17.5%)の返信があり、尺度やアセスメントツールの使用に関連したケア基準項目の実施割合が比較的低かった。ケア基準項目の必要性については、肯定的な意見が多く、必要でないと回答した者の割合は少なかった。研究②では、研究者らが作成した慢性痛ケア基準の実現可能性を実際にケア基準を使用した看護・介護職者による意見や感想を元に検討することを目的に行った。その結果、慢性痛ケア基準を利用することへの必要性や適用性、患者への有効性については、比較的、肯定的な結果が得られたが、非薬物療法、特に精神的なケアの必要性についての意見が挙げられた。今後精神的なケアを含めた非薬物療法に関するエビデンスの構築及びケア基準への反映が求められる。ケア基準は、エビデンスの蓄積に伴ない、定期的にアップデートしていく必要がある。
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Pain Management Nursing
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Archives of Gerontology and Geriatrics
巻: 57(3) ページ: 403-410