研究課題/領域番号 |
23593432
|
研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
下里 誠二 信州大学, 医学部, 准教授 (10467194)
|
研究分担者 |
高橋 理沙 信州大学, 医学部, 助教 (10612319)
|
キーワード | 精神看護 / 攻撃行動 / ディエスカレーション |
研究概要 |
本年度は精神科看護師がよく体験する患者の攻撃行動場面のうち特にトレーニングが必要と感じる場面について自由記述で具体的な回答を求め記述された結果を精神科看護に精通した看護師および研究者2名で類似する場面に分類した。またこれらの場面について行ったロールプレイ場面での精神科看護に精通した看護師からのコメントを分析した。 攻撃行動場面は「本人の同意が得られない状況での医療・援助場面」と「精神症状による興奮」「患者同士のトラブル」に分けられた。これらの事例のロールプレイ場面で指導者のコメントを分析した。 すべての場面を通じて「患者に寄り添うディエスカレーション」、「ディエスカレーションで気を付けること」、「対応方法を決めるリスクアセスメント」、「非言語的メッセージ」(ディエスカレーションしやすい場づくり、周囲のスタッフの立ち位置・対応)、「身体的介入」(説明の重要性、身体介入を開始する判断、安全な身体的介入、効果的な身体的介入)があげられた。 特に場面ごとに特徴的な側面として、拒薬場面では「落ち着いて対応すること」「自分が話を聞くという姿勢を明確にすること」から信頼関係を作ったうえでのディエスカレーションの重要性が指摘された。 また入院を拒否する場面では「介入には患者の怒りのレベルのアセスメントが重要」「周囲の環境に配慮する役割を作る」「身体介入のタイミングを正確に見極める」「身体介入後のディエスカレーションが特に重要」といった的確な判断の重要性が示された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度 包括的暴力防止プログラム研修会のうち、4回の研修会において行われるロールプレイ演習時に場面のロールプレイを20場面抽出しロールプレイ終了時に各プレーヤーからの体験、指導者の視点からのコメントを記録し記録したビデオを分析することを目的とした。 本年度は計画通りに20場面のロールプレイ演習をビデオ記録しその内容を分析することができた。 結果として状況に応じた必要なスキルが抽出されたことからおおむね順調に進行していると考えられる。
|
今後の研究の推進方策 |
次年度は最終年度であるため本年度までにディエスカレーションに重要なスキルはいくつか抽出された。平成25年度は、平成23、24年度に集まったデータと文献検討をもとに暴力の発生状況によるディエスカレーション技法について項目を抽出しさらに一旦出来上がったディエスカレーション技法の具体策案について、包括的暴力防止プログラムの指導者として活動する看護師、約30名を対象にして妥当性についてのアンケート調査を行い、修正を加える予定である。
|
次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
|