本年度は昨年度までの結果を統合し精神科でのディエスカレーションについて検討した。 結果、これらの内容は主に強制による問題:精神科医療の中で患者の不満や拒絶にどうアプローチしていくかということ、患者同士の人間関係によるもの、精神病性の症状によるものに分けられた。強制を強いる場面については我々自身が攻撃者に近い存在になりかねない。このことについて看護者は特に意識して関わらなければならない。そのために「寄り添う」ことが重要であり、そのために関係性の良さが重要である。また、とくに患者の欲求が制限されているために起こる要求ごとに対して曖昧な言動しないことが重要であり、そのためには落ち着いて介入できることが重要と考えられた。服薬をすすめる場面のようにかかわりの初期の段階では患者は怒りを持っていないことも多い。落ち着いて話を聞き、情報をはっきりと提供することが重要と考えらえた。入院拒否のような場面では患者によってどの程度攻撃性が高まっているかには差がある。ここでアセスメントを正確にできるかどうかが重要であると考えられた。また前からだんだん近づく形になる退院要求などについては適切な距離を取り、リスクを考慮しながらうそをつかずにかかわることといったことの重要性が指摘された。 隔離拘束といった行動制限の場面では行動制限をされる患者の側に立ったディエスカレーションが重要であることが示された。 患者同士のトラブルでは病棟環境で喧嘩が起こる場合、ホールであることも多い。この時周囲の他患者の存在は攻撃者の攻撃の程度にも影響する。その意味で全体を見渡しながらマネジメントすることが重要と考えられた。精神症状に基づく攻撃性ではアセスメントもとづき患者が不利益にならないような対応方法で介入することが重要と考えられた。
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