研究課題/領域番号 |
23593445
|
研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
末弘 理惠 大分大学, 医学部, 教授 (30336284)
|
研究分担者 |
三重野 英子 大分大学, 医学部, 教授 (60209723)
寺町 芳子 大分大学, 医学部, 教授 (70315323)
井上 亮 大分大学, 医学部, 教授 (10325714)
脇 幸子 大分大学, 医学部, 准教授 (10274747)
菅原 真由美 大分大学, 医学部, 助教 (90381045)
小西 佳代 大分大学, 医学部, 助教 (60336279)
甲斐 博美 大分大学, 医学部, 助教 (80443894)
若山 嘉子 大分大学, 医学部, 助手 (10583867)
|
キーワード | ICU / 高齢者 / 急性期ケア |
研究概要 |
本研究は、集中治療部(ICU)での治療目的で入室する高齢者の現状とケアの課題を明らかにし、ケアニーズの因子の抽出、ケアプログラムの開発そして検証を経て、ICUでの高齢者ケアのプログラムの開発を目指している。平成24年度は第1段階として、ICUの看護師の語りより、ICUに入室した高齢者ケアの実際を明らかにし高齢者のニーズとケア上の課題を抽出することを目的とした。研究方法は、集中治療部に連続3年以上勤務する看護師のうち、看護師経験3年目以上の3名に、①ICUに入室した後期高齢者の事例数と印象に残った患者と看護、②高齢者の看護で心がけていることについて、フォーカスグループインタビューを2回実施した。分析は、インタビュー内容より逐語録を作成し、「高齢者の入室状況」「印象に残った事例とその看護実践」「ICUでの高齢者への看護について心がけていること」について、語りの内容を整理した。 入院から退院まで担当した高齢患者は、対象Aが年間20名、対象BとCは半年間に各5名。印象に残った事例では、対象Aは80歳後半の女性、胸部大動脈瘤弓部置換術後1ヶ月入室し、廃用症候群のため心身状態をみながらゴールを決め機能訓練を実施した。ゴール設定では高齢を考慮しようとしたが指標がなく適切であったか疑問が残った。対象Bは80歳台男性不慮の事故により脳死状態となり、家族が現状を受容できるよう一緒に患者へのケアを行いながら支援した。対象Cはせん妄状態であっても「生きたい」という気持ちを大切にした看護実践であった。高齢者へ意図して心がけている看護として、「生命にかかわる処置は意思に反しても行う」「全身状態をふまえた早期の機能訓練」「退院後を見据え心身状態に沿ったゴール設定」「家族への現状の受容にむけた支援」であった。 次年度は、ICUでの高齢患者への看護の指標作成にむけた調査を行う予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は、集中治療部(ICU)での治療目的で入室する高齢者の現状とケアの課題を明らかにし、ケアニーズの因子の抽出、ケアプログラムの開発そして検証を経て、ICUでの高齢者ケアのプログラムの開発を4年間かけて行うことを目指している。 調査予定は、当初平成23年度(1年目)にインタビューを行い、平成24年度(2年目)には前年度の結果を踏まえ、ケアニーズ等の調査を行う予定であった。しかし、1年目に調査対象(施設)との調整や研究者側の変更等の理由より、実施できなかったため、2年目に実施した。さらに、ケアニーズ調査を2年目末に実施するよう計画していたが、インタビュー実施が対象側との調整により平成25年1~3月となったため(詳細は研究実績の概要参照)、調査実施までに至らなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究は、集中治療部(ICU)での治療目的で入室する高齢者の現状とケアの課題を明らかにし、ケアニーズの因子の抽出、ケアプログラムの開発そして検証を経て、ICUでの高齢者ケアのプログラムの開発を4年間かけて行うことを予定していた。 実際の進行は、平成23年度(1年目)の研究計画が平成24年度(2年目)へと遅延したため、平成25年度は当初2年目に計画していた「ICUにおける高齢者ケアニーズに関する質問紙調査」を実施する予定である。さらに、平成26年度(4年目)は前年度の結果を踏まえ、プログラム開発を行い、そのプログラムをICUで検証することを計画している。
|
次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額が生じた理由については、質問紙調査のデータの収集が遅くなり、また、研究分担者の異動等により、主に旅費および謝金に余りが生じたためである。次年度使用額の使用計画としては、データ収集の結果をまとめる作業が必要なため、データ入力の際の謝金として平成25年度請求額と合わせ使用する予定である。また、その他に、通信費および論文作成等に使用する予定である。
|