認知症高齢者の終末期において重視される痛みの観察式評価指標を検討した。(1)既存資料の分析から導いた、ことば・声、表情、身体表現、生活行為・動作、行動・気分、生理反応の6要素に対して、看護師へのインタビューから36の痛みサインを形成した。(2)痛みのある認知症高齢者106名における該当率30%以上の痛みサインは6項目、10%未満は13項目であった。(3)評価項目として適切と回答した看護師の割合が75%未満のサインが17項目あった。以上から、該当率10%未満で、疾患別等分析で有意差がなく、かつ適切性75%未満の5項目を削除して31項目に精選した上で、共通項目と個別項目から成る評価枠組を作成した。
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