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2011 年度 実施状況報告書

訪問看護における皮膚排泄ケア認定看護師による褥瘡コンサルテーションシステムの拡充

研究課題

研究課題/領域番号 23593452
研究機関群馬県立県民健康科学大学

研究代表者

飯田 苗恵  群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 講師 (80272269)

研究分担者 鈴木 美雪  群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 講師 (90554402)
福島 昌子  群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 講師 (20352619)
狩野 太郎  群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 准教授 (30312896)
棚橋 さつき  高崎健康福祉大学, 保健医療学部, 准教授 (30406300)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2015-03-31
キーワード皮膚・排泄ケア認定看護師 / 訪問看護 / 褥瘡 / 褥瘡専門訪問看護 / コンサルテーション / システム構築 / 情報技術 / データベース
研究概要

1.目的:訪問看護ステーションの皮膚・排泄ケア認定看護師が、地域の訪問看護ステーションに実施した褥瘡コンサルテーションの活動実態を明らかにし、課題を検討することである。対象は、2008年6月~2010年12月の電子媒体記録、データ収集は、依頼先施設の概要、療養者の概要、コンサルテーションの概要を抽出した。分析は、項目毎に記述統計を行った。2.結果の概略:依頼施設は訪問看護ステーション10ヶ所、介護老人福祉施設が1ヶ所であった。療養者は48人、男21人、女27人、65歳以上91.0%、循環器系疾患33.3%、要介護5が56.3%、ブレーデンスケール17点以下93.8%、紙おむつ使用83.3%、低栄養状態89.5%であった。発生部位は、仙骨部31.3%、慢性期重症褥瘡60.4%であった。 相談は延べ237回、うち同行訪問は52.7%、期間は平均48.0±69.9日であった。初回相談内容は、薬剤選択40件、スキンケア方法34件、認定看護師の提案は、スキンケア方法48件、除圧・減圧ケア42件であった。治癒・改善が52.1%、保有死亡が25.0%であった。 治癒に至った25人は男9人、女16人、65歳以上が88.0%、要介護5が48.0%、ブレーデンスケール17点以下80.0%であった。褥瘡の状態は、急性期重症が8%、慢性期重症が44%、軽症が32%、難治化したスキントラブルが16%であった。相談は延べ167回、うち同行訪問は46.7%であった。3.考察:生活の場で褥瘡ケアを行う看護師は、専門的な相談窓口を要している。療養者は、高齢で、褥瘡発生の要因を複数抱え、改善しにくい状況があると考える。初回の相談内容は局所を視点としたものが多く、認定看護師の提案はスキンケアと徐圧・減圧が多かった。褥瘡ケアの質向上のため、相談ニーズと提案内容におけるズレの改善への策を講ずる必要があると考える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の目的は、褥瘡を有する療養者に対する地域医療の質保障の仕組みの一つとして、認定看護師が在籍する訪問看護ステーションが地域の訪問看護ステーションの相談に対応する看護-看護支援型、褥瘡コンサルテーションシステムを情報技術による迅速で標準化した多機関協力システムとして拡充することである。 本年度は、認定看護師が使用している電子媒体記録から活動実態を明確にし、課題を分析した。課題の整理は、現在使用しているデータベースの査定項目を改善し、相談者である訪問看護師が査定すべき項目とデータベースへの連動を吟味したシステムを構成する基礎となる。

今後の研究の推進方策

研究者と研究協力者は、現在実施しているコンサルテーションの内容や活動の課題分析し、(1)目的・目標の設定、(2)予備調査、(3)仮説の設定を共同で行う。これら、(1)、(2)、(3)を踏まえ、コンサルテーション依頼者のための褥瘡ケア査定項目の電子化(データベース作成)および認定看護師が現在使用している褥瘡管理データベースに修正を加え情報共有機能を構成する。さらに、訪問看護指示医も共通利用できるツールを加え、チーム管理ツールを構成する。<Step1>情報技術による迅速化  (1)認定看護師が現在使用している褥瘡管理データベースを修正、(2)コンサルテーション依頼者のために抽出された査定項目を、療養者基本情報、全身管理情報、局所管理情報に分類、データの構造を吟味、入力プロセスを設計する。データベースソフトウェアを活用し、コンサルテーション依頼者のための褥瘡ケア査定項目の電子化(データベース作成)を行う、(1)と(2)を連動させ、双方の記載が、組織横断的に使用できる情報共有機能を構成する。(3)構成した機能を備えつつ、訪問看護指示医も共通利用できるツール(進捗管理・状態の経時的評価機能等)を加え、チーム管理ツールを構成する。<Step2>チーム管理を踏まえた褥瘡コンサルテーションの活動順序(フローチャート)再構成 コンサルテーションを受けてから終了するまでの間、コンサルテーション遂行のために行う管理者と認定看護師の活動・調整について、記録する。記録された内容を時系列で整理し、訪問看護指示医等との連携・調整も含む活動について基本手順を図式化する。さらに、管理者会議において、図式化された活動順序について吟味し、組織的な活動として了承を得る。

次年度の研究費の使用計画

当該研究費が生じた状況は、設備備品の一部および褥瘡を有する療養者への褥瘡被覆剤の発注について、時宜を考慮し、次年度に変更したことによる。 次年度に請求する研究費と合わせた使用計画は、以下の通りである。物品費:600,000(ipad5台 創傷被覆剤・スキンケア用品、文具)旅費:100,000(調査研究旅費、成果発表旅費)人件費・謝金:250,000(専門知識の提供、研究補助)その他:250,000(ipad通信料、文献複写、会議費)

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011 2001

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 皮膚・排泄ケア認定看護師が訪問看護ステーションに対して実施する褥瘡コンサルテーションの活動実態報告2011

    • 著者名/発表者名
      岡部美保、飯田苗恵、山路聡子、棚橋さつき
    • 学会等名
      第13回日本褥瘡学会学術集会
    • 発表場所
      福岡市
    • 年月日
      2011年8月26日
  • [学会発表] 皮膚・排泄ケア認定看護師が訪問看護ステーションに対して実施する褥瘡コンサルテーション活動の効果2001

    • 著者名/発表者名
      岡部美保、飯田苗恵、山路聡子、棚橋さつき
    • 学会等名
      第42回日本看護学会-看護管理-
    • 発表場所
      神戸市
    • 年月日
      20011年10月14日

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公開日: 2013-07-10  

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