研究課題/領域番号 |
23593454
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研究機関 | 千葉県立保健医療大学 |
研究代表者 |
片倉 直子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 准教授 (60400818)
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研究分担者 |
松澤 和正 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 教授 (00383092)
井上 洋士 放送大学, 教養学部, 教授 (60375623)
松嶋 健 京都大学, 人文科学研究所, 研究員 (40580882)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 精神疾患 / 訪問看護 / 教育プログラム / ケースマネジメント |
研究概要 |
【研究目的】平成23年度は、精神障害者への訪問看護の支援の実態と、その支援のために必要な教育プログラムとケースマネジメント体制を把握することを研究目的とした。【研究方法】対象:A県内の全訪問看護ステーション(以下ステーション)200件。方法:精神障害者への訪問看護の支援の実態と、その支援のために必要な教育プログラムとケースマネジメント体制、ステーションの属性を質問紙にて把握した。分析:構造的質問項目に関しては記述統計を、自由記載は内容の類似性にあわせて質的に分析した。【結果】回収した73票(回収率36.5%)を分析した。精神疾患をもつ(合併症含む)利用者へ、6割強のステーションが訪問看護を提供していた。精神訪問看護指示書への対応について、「(1)断らないで対応」18件(24.7%)、「(2)今後対応予定」14件(19.2%)、「(3)条件が折り合えば対応」17件(23.3)、「(4)何らかの支援があれば対応」3件(4.1%)、「(5)対応予定なし」21件(28.8%)であった。(3)(4)の条件や支援の内容は、精神病院(主治医等)との迅速な連携等、(5)の理由は、精神看護の経験不足等であった。相談窓口・情報源について、半数以上のステーションが、精神保健福祉センター、精神保健福祉相談員、地域活動支援センターI型等を知らなかった。また、ケースマネジメントについて、半数以上のステーションが、役割の不明瞭さ、行政担当者毎の対応のばらつき、精神科主治医等との連絡のつきにくさ等を指摘した。【考察】精神疾患をもつ利用者への訪問看護は多くのステーションで提供されており、また促進するために、精神科主治医との円滑な連携を整備することが必要と考えられた。一方、相談窓口等を熟知しないまま訪問看護を提供している、またケースマネジメント体制の不備が考えられ、今後の教育プログラムや体制整備に必要な事項と考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成23年度に諸外国の精神保健福祉体制を見学する予定であったが、所属機関の行事等により、平成24年度に変更した。他は、概ね予定通りに進行している。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年8月に、イタリアのアレッツォ、トリエステの精神保健福祉体制を見学する。5月、6月、7月に、A県の精神保健福祉を統括する行政職員と連携した、研修プログラムを計画し、本学でステーションを対象にした研修会を実施する。その際、研修会の効果を検証するために協力するステーションを募る。また、関係学会に平成23年度の結果を公表する。
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次年度の研究費の使用計画 |
研修会の効果の検証を行い、分析をすすめる。研究会の効果について、関係学会に公表する。
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