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2011 年度 実施状況報告書

地域高齢者における市中肺炎予防に関する口腔内環境の基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23593457
研究機関愛知県立大学

研究代表者

熊澤 友紀  愛知県立大学, 看護学部, 助教 (20571730)

研究分担者 鎌倉 やよい  愛知県立大学, 看護学部, 教授 (00177560)
深田 順子  愛知県立大学, 看護学部, 准教授 (60238441)
米田 雅彦  愛知県立大学, 看護学部, 教授 (80201086)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード市中肺炎 / 地域高齢者 / 予防 / 唾液 / 口腔内環境 / 口腔内細菌 / real-time PCR法
研究概要

肺炎発症による高齢者の死亡は3大死因に引き続き第4位に位置し、肺炎に陥る前の予防対策を講じる必要がある。この肺炎予防には、口腔内の健康が維持され、衛生環境が清潔に保たれる必要があるが、地域高齢者の現状や口腔内環境の変化については明らかにされていない。そこで、本研究は地域高齢者及び成人者を対象とし、代表的な肺炎の起因菌である肺炎レンサ球菌(Streptococcus pneumoniae:S.pneumoniae)を中心とした細菌DNA量及び口腔内の自浄作用を司る物質について明らかにすることが目的である。 平成23年度は主に健常成人者を対象とし、年代別に口腔内環境を調査した。対象者はA施設に在勤中の30~50歳男女62名(mean±SD:46.0±7.6歳、男性45名、女性17名)であり、62名の内訳は30歳代14名、40歳代26名、50歳代22名であった。対象者へは口腔内における自覚症状等の問診を実施し、唾液の採取、舌及び頬粘膜湿潤度を計測した。唾液検体は、対象者の口腔内全体を綿棒により拭い、午前中の非刺激性唾液を採取した。 この唾液検体は分離・冷凍保存した後、分泌型免疫グロブリンA(secretory Immunogrobulin A: sIgA)、ラクトフェリン、上皮成長因子(Epidermal growth factor: EGF)の各濃度をELISA法にて測定し、口腔内細菌としてS.pneumoniae、常在細菌であるStreptococcus mitis(S.mitis)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa: P.aeruginosa)の細菌DNA量をreal-time PCR法にて測定した。これらの結果を基に、年代別にした群間の比較を行い、口腔内環境の変化や細菌量の変化について、現在得られたデータを分析中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究は地域高齢者及び成人期にある対象者の口腔内環境、具体的には肺炎の起因菌である肺炎レンサ球菌(S.pneumoniae)を中心とした細菌DNA量や、口腔内自浄作用を司る物質を明らかにし、肺炎発症の基礎的資料とすることが目的である。平成23年度の研究実施計画は健常成人者における基礎データの収集及び分析であったため、当初の研究計画通り、研究が遂行され、おおむね順調に進展している。 研究対象者である健常成人者は、予定の対象数を得られており、健常成人者としての基礎的データを提示することができると考えられる。また、分析においては、S.pneumoniaeの他に、常在細菌(S.mitis)、緑膿菌(P.aeruginosa)の細菌DNA量をreal-time PCR法によって測定し、唾液に含まれる口腔内自浄作用を司る蛋白質(sIgA、ラクトフェリン、EGF)の濃度をELISA法にて測定した。 平成23年度の研究実施については概ね計画通りの進度であるため、平成24年度には地域高齢者を対象とし、データ収集及び分析に取り組みたい。また平成23年度に得られた分析データは、関連学会等へ研究発表予定である。

今後の研究の推進方策

平成24年度は前年度の健常成人者に引き続き、地域高齢者の口腔内環境を明らかにし、高齢者の市中肺炎予防を目的とした研究を推進する。 対象者は、A市在住の65歳以上の地域高齢者(年齢:60・70・80代の男女各10名(合計約60名))とする。当該対象地域に設置されている公民館をデータ収集場所とし、対象者へ研究内容について説明したうえで、同意の有無を確認する。データ収集内容として、対象者の口腔内環境に関連した問診及び口腔内乾燥度を測定し、唾液検体の採取を実施する。これらの唾液検体については、平成23年度と同様に、real-time PCR法により唾液中の肺炎レンサ球菌(S.pneumoniae)、常在細菌(S.mitis)、緑膿菌(P.aeruginosa)のDNA量を測定し、唾液中の蛋白質であるsIgA、ラクトフェリン、EGFの各濃度を測定する。 平成23年度では、検体の分析キット等を中心に研究費の使用を充て、概ね使用計画通りの使用状況であるが、平成23年度残額分については、平成24年度分の検体分析キットとともに、これらを保管する冷蔵庫等の購入にも充てる計画である。

次年度の研究費の使用計画

平成24年度は地域高齢者における口腔内環境の調査を予定しているため、このデータ収集に必要な消耗品や検体の分析キットの購入を予定している。また、分析キット等の保管のために、専用の実験用冷蔵庫を購入する予定である。さらに、分析に使用するためのパーソナルコンピューターを購入する予定である。 また、関連学会への研究成果発表のために、学術集会参加の旅費として使用する予定である。

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公開日: 2013-07-10  

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