研究課題/領域番号 |
23593460
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
金谷 志子 大阪市立大学, 看護学研究科, 講師 (00336611)
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研究分担者 |
河野 あゆみ 大阪市立大学, 看護学研究科, 教授 (00313255)
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キーワード | 高齢者見守り / 地区組織活動 / 支援プログラム |
研究概要 |
1 目的 本研究の平成24年度の目的は、①考案した地域高齢者見守り組織の主体的な活動を促す支援プログラム(以下、プログラム)を2地区で実施、②プログラム参加者に対して事前、事後評価を実施することであった。 2 方法 研究対象者は、大阪府A市2地区の高齢者見守り組織メンバー81名であった。プログラムの内容は①地域内の高齢者の実態把握のための家庭訪問、②見守り訪問技術の研修、③専門職・機関との連携の実際であった。プログラムの実施前後に自記式質問紙調査を行った。評価項目は地域コミットメント(地域コミットメント尺度(河野,2012)得点範囲0-24点、高得点で地域へのコミットメントが高い)、見守り効力感(見守り効力感尺度(田高,2010)得点範囲0-24点、高得点で自己効力感が高い)であった。 3 結果 対象者名のうち前後回答があった54名を分析対象者とした。対象者の概要は男性17名(31.5%)、女性37名(68.5%)で、年齢は60歳代が38.9%、70歳代が44.4%、居住年数は21年以上が78.8%であった。所属団体は自治会役員が33.3%、福祉委員が63.0%であった。 プログラム前後の地域コミットメントの変化は、平均(±標準偏差)プログラム前14.9(±3.8)、プログラム終了後16.6(±4.0)とポイントが上昇した(t検定、p<0.002)。プログラム前後の見守り効力感の変化は、平均(±標準偏差)がプログラム前10.7(±5.6)とプログラム終了後12.7(±3.9)とポイントが上昇する傾向にあった(t検定、p<0.034)。 4 考察 今回、プログラムを実施し、プログラムによって見守り実施者である対象者の地域コミットメントと見守り効力感が高められたと考える。今後、プログラムの評価を行うため、プログラムを実施した地域への影響評価を検討していく必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度の研究目的は、地域高齢者見守り組織の主体的な活動を促す支援プログラムの実施と評価することであった。研究計画のとおり、プログラムを2地区において実施し、実施前後に質問紙によって地域コミットメントや、地域見守り自己効力感等についてデータを収集した。 平成24年度計画ではプログラムを実施した対象者に、地区高齢者の状況と課題、高齢者見守り活動の発展に必要なことについて、プログラム終了後に面接調査を実施する計画であった。しかし、プログラムによる介入が平成25年2月まで要したため、面接調査を実施できていない。実施時期の多少の遅れはあるが、研究はおおむね順調に進展していると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画では、確定したプログラムを介入群、比較群の2群で比較し、評価しプログラムを検証する計画であった。しかし、比較群となる対象組織が選定できないため、計画を一部変更し、比較群はおかず介入群のみを介入前後で評価するデザインに変更し、研究を進めている。平成24年度は、2地区においてプログラムを実施した。平成24年度計画ではプログラムを実施した対象者に、地区高齢者の状況と課題、高齢者見守り活動の発展に必要なことについて、プログラム終了後に面接調査を実施する計画であったが、プログラムによる介入が平成25年2月まで要したため、面接調査を実施できなかった。そのため、面接調査の実施、分析のために計上していた研究費が次年度に繰り越しとなった。次年度は、①プログラム参加者に、地区高齢者の状況と課題、高齢者見守り活動の発展に必要なことについて、面接調査を行う。②プログラムによって実施による地域への影響を評価する。③プログラム参加者を対象とした質問紙調査、面接調査等の結果を総合的に分析し、効果を評価する。④地域高齢者見守り組織の主体的な活動を促す支援プログラムを完成させる。
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次年度の研究費の使用計画 |
1 目的 平成25年度の研究目的は、考案した支援プログラムの効果を総合的に評価、プログラムを完成させることである。 2 方法 ①面接調査の実施;対象者に、地区高齢者の状況と課題、高齢者見守り活動の発展に必要なことについて、面接調査を行う。②プログラムによって実施による地域への影響を評価する。③プログラム参加者を対象とした質問紙調査、面接調査等の結果を総合的に分析し、効果を評価する。④プログラムの紹介とプログラムの評価結果を論文、学会等で発表する。 3 研究費の使用計画 ①面接調査の協力者への謝金、面接調査の逐語録作成費、②プログラムの影響評価のためのデータ収集の旅費、③プログラム内容の吟味のための関係者との会議費、④学会発表旅費、論文投稿の費用等に研究費を使用する計画である。
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