研究課題/領域番号 |
23593460
|
研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
金谷 志子 大阪市立大学, 看護学研究科, 講師 (00336611)
|
研究分担者 |
河野 あゆみ 大阪市立大学, 看護学研究科, 教授 (00313255)
|
キーワード | 社会的孤立 / 高齢者 / 見守り / 介入研究 / プログラム評価 |
研究概要 |
【目的】平成25年度は、地域高齢者見守り組織の主体的な活動を促す支援プログラムのプロセス評価を実施することを目的とした。 【方法】評価対象者はA市4地区の地区組織メンバー124人を対象とした。評価方法は、評価方法は、自記式質問紙調査(連結可能匿名化)を実施した。データ収集は、対象者の高齢者見守り活動の関心度と自信、見守り活動状況のプログラムによる変化をプログラム実施前(事前評価)とプログラム終了後(事後評価)の2時点で調査した。主な調査項目は、地域コミットメント、高齢者見守り効力感であった。地域コミットメントは、Konoらの地域コミットメント尺度を用いた。得点は0~24点の範囲で、得点が高いほど地域コミットメントが高いことを示す。地域高齢者見守り効力感は、Tadakaらの地域高齢者見守り効力感尺度を用いた得点は0~24点の範囲で、得点が高いほど自信が高いことを示す。 【結果】1.対象者の特徴は、プログラムへの参加協力の同意が得られた対象者126人のうち、100人を分析対象者とした。対象者の基本属性は性別は女性が78.0%、年齢は60歳代が40.0%、70歳以上が42.0%であった。居住年数は20年以上の者が70.0%と高い割合を占めていた。所属団体は、自治会が36.0%であった。2.地域コミットメントの実施前後の変化は、実施前15.1点と比べ実施後は16.2点と高くなり、統計的に有意差が認められた(p=0.008)。地域高齢者見守り効力感は、実施前11.9点と比べ実施後は12.9点と高くなり、統計的に有意差が認められた(p=0.016)。【まとめ】プログラム評価がプログラム参加者のみの変化の評価結果であり、結果の解釈には限界があるが、本プログラムは地域住民を対象とした高齢者見守り組織の活動を促進させるプログラムとして有効である可能性が示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度の研究目的は、地域高齢者見守り組織の主体的な活動を促す支援プログラムの評価することであった。研究計画のとおり、プログラムを4地区において実施した質問紙調査の結果を分析し、評価を行った。今後、研究成果を発表すること、プログラムの評価結果をもとに、考案した地域高齢者見守り組織の主体的な活動を促す支援プログラムを完成させる作業が必要である。
|
今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画では、確定したプログラムを介入群、比較群の2群で比較し、評価しプログラムを検証する計画であった。しかし、比較群となる対象組織が選定できないため、計画を一部変更し、比較群はおかず介入群のみを介入前後で評価するデザインに変更し、研 究を進めた。平成24年度は、2地区においてプログラムを実施したが、プログラム評価の調査が平成25年3月まで要したため、調査結果のまとめ、分析までできなかった。そのため、分析のために計上していた研究費が次年度に繰り越しとなった。。今後、プログラム参加者を対象とした質問紙調査の結果を総合的に分析し、地域高齢者見守り組織の主体的な活動を促す支援プログラムを完成させる
|
次年度の研究費の使用計画 |
平成23年度~平成25年度の期間、地域高齢者見守り組織の主体的な活動を促すための支援プログラムを考案し、実施した。プログラム評価のため、実施前後に質問紙調査を実施したが、当初計画よりも実施時期が遅延した。そのため、データ収集は完了したが、期間内に十分な分析、考案したプログラムの見直しと完成まで至ることができなかった。よって、次年度に、調査結果を早急に分析し、成果発表(論文投稿、学会発表)をする必要がある。 平成25年度の調査研究で得られた研究データを分析し、地域高齢者見守り組織の主体的な活動を促すための支援プログラムを完成させる。平成26年度は、研究成果の発表のための論文投稿料、学術学会参加費、研究報告書の印刷製本費に使用する計画である。
|